太陽光発電に投資しても大丈夫?投資方法や失敗・後悔しないためにできることを解説!
2021.2.18

FITにもとづく太陽光発電の売電価格は年々低下しています。「太陽光は儲からない」という声が増えていますが、売電価格の低下、太陽光発電の普及、卒FITも現れ始めて状況が変わる中、投資方法にも変化がみられます。
この記事では、2021年でもできる太陽光発電の投資方法や、投資に失敗し後悔しない為のアドバイスを紹介しています。
太陽光発電への投資はまだ儲かる?
固定価格買取制度(FIT)の強い追い風を受けて、普及が進んできた太陽光発電ですが、買取価格は年々低下しています。2020年に入ってもFITの買取価格は低下し、また、発電量が50kW以下の低圧の太陽光発電に関しては、全量買い取りはできなくなり、余剰分の買い取りのみとなりました。
このような経緯もあって、利回りの低下が懸念され、「太陽光発電は儲からない」という声が増えています。
一方で、新型コロナウイルスの影響もあり、安定した投資先の1つとして、改めて太陽光発電への投資が注目を集めています。

太陽光発電を取り巻く状況は、売電価格の低下やコロナ禍の影響だけでなく、FIT期間を満了したいわゆる「卒FIT」も現れ、投資方法にも変化がみられます。このような状況の変化や投資方法の変化に対応することが大切ですが、太陽光発電はまだまだ魅力のある投資分野です。では、具体的にどのような投資方法があるのでしょうか。
続いて、2021年でもできる太陽光発電の投資方法について解説します。
【2021年版】太陽光発電への投資方法
これまで、太陽光発電の投資方法としては、太陽光発電設備を導入し、FITにもとづく売電によって収益を得る、という方法が一般的でした。しかし、FITによる電力の買取価格は年々低下しているのに加え、50kW以下の低圧の太陽光発電設備では全量買い取りができなくなるなど、これまでの投資方法では投資先として魅力あるものではなくなりつつあります。
このような現状を踏まえて、2021年の今、どのような投資ができるのでしょうか。2021年でもできる太陽光発電の投資方法として主に、新電力への売電、中古物件の購入、太陽光ファンド、太陽光発電所への投資があげられます。
続いて、それぞれの投資方法を具体的に紹介します。
投資方法①新電力へ売電する
FITにもとづく電力の買取期間は10kW未満の住宅用で10年間と定められています。FITの前身となる太陽光発電の「余剰電力買取制度」は2009年にスタートしたため、2019年以降に買取期間を満了する太陽光発電、いわゆる卒FITが順次現れることになります。
いわゆる2019年問題とは、固定価格による買取期間の満了後、設置済みの太陽光発電設備はどうなっていくのか、売電はどうなるのか、利益は生み出せるのかなど、2019年以降に起こると考えられるさまざまな問題のことです。2019年問題も含め、今後太陽光発電はどうなっていくのか、不安に感じる方もいらっしゃることかと思います。
ただ、誤解されている場合も多いですが、固定価格による買取期間が満了すると売電できなくなるわけではなく、引き続き売電することができます。
その売電先として注目を集めているのが「新電力」です。2019年問題や卒FITに合わせ、東京ガスやENEOSなど、売電サービスを行う電力会社が登場しました。このような電力会社は、東京電力や関西電力などの一般電気事業者とは別の新しい電力会社として「新電力」とよばれています。
新電力へ売電するメリットとして、法人向けのサービスや料金プランを受けられることがあげられます。全国に10社ある一般電気事業者は、法人に向けたサービスや料金プランを提供することができません。
新電力のみが提供できる法人向けのサービスや料金プランを利用し、高価格で売電できる、これが、新電力へ売電する大きなメリットです。
ただ、デメリットもあります。新電力は一般電気事業者に比べると規模が小さく設備も大きくないため、売電できる対応エリアに条件あったり、設備の制約によって売電できなかったりする場合もあることがあげられます。また、新電力は倒産のリスクも気になるところですが、もし倒産しても売電先を変更することができるので、その点に関しては心配しなくてよいでしょう。
新電力についてもっと知りたい方は、「新電力を比較するポイントを解説!卒FIT後の買取に対応する新電力も」をご覧ください。

投資方法②中古物件を購入する
中古物件の購入とは、すでに売電実績がある稼働済みの太陽光発電を購入することです。FITに基づく電力の買取価格は毎年下がっていますが、これは既に設置された太陽光発電設備の売電価格が年々下がっていく、というわけではありません。電力の買取価格は申し込みをした年度の価格で決まります。
つまり、設置された発電設備の売電価格は申し込み年度で固定されているため、発電設備にFITが適用される期間を通して一定です。中古物件を購入すると、申し込み当時の固定価格で売電することができます。これは、電力の買取価格が年々低下していることを考えると、大きなメリットの1つといえるでしょう。
また、中古の物件は稼働実績をもっているので、それをもとに発電量や利回りを予想でき、事業計画が立てやすいこともメリットです。ほかにも、発電設備が設置された土地に赴いて物件の調査や現地確認ができるのも中古物件を購入するメリットです。中には、中古物件に関して、まだ発電設備を設置しておらず売電契約のみもっている場合もあり、権利だけ売り出されているケースもあります。
投資方法③太陽光発電ファンド
太陽光発電ファンドとは、企業や自治体の運営者が出資者を公募して、太陽光発電投資を行うものです。いわゆるメガソーラーファンドも、太陽光発電ファンドの一例です。
太陽光発電ファンドにおいて、投資家は太陽光発電設備を所有するのではなく、出資者の1人して参加する、というかたちになります。太陽光発電設備を所有するには、通常多額の費用がかかる上、設置や運用に関する専門性も必要です。しかし、ファンドではあくまで出資者の1人であるため、設備費用や専門性を高める心配がありません。10万円程度の少額から投資でき、土地をもっていなくても参加できます。
事業自体は専門の事業者が行うので、太陽光発電設備の設置や運用経験がなくても安心して投資できます。このように、ローコスト、ローリスクの投資であることが太陽光発電ファンドのメリットといえるでしょう。
デメリットとしては、あくまで出資者の1人しての参加であるため、事業者の運用方法などに介入できないことがあげられます。また、事業者が得た利益がすべて出資者に分配されるわけではないので、他の太陽光発電投資に比べると利回りは低くなってしまうこともデメリットといえるでしょう。
メガソーラーに関しては「メガソーラーとは?ビジネスで注目されるメガソーラーのメリットや注意点、導入事例もご紹介」にくわしい解説がありますのでご覧ください。
投資方法④太陽光発電所に投資する
太陽光発電所(メガソーラー)とは、発電量が1MW(1000kW)以上の太陽光発電システムのことです。メガソーラーのような大規模な太陽光発電の場合、住宅用や小規模な産業用の太陽光発電と異なり、売電価格は入札制、全量買取してもらうことができます。また、買取期間は、他の産業用の太陽光発電と同じく20年間となります。
商社などもメガソーラー事業に参入しています。メガソーラーは規模が非常に大きく、その分初期費用やランニングコストも必要となりますが、得られる売電収入も莫大なものとなります。
費用対効果が高く、利回りも高い、これがまず大きなメリットです。そして20年間の買取期間が定められているため、安定して収益を得られ、収益シミュレーションが立てやすいこともメリットです。
一方、デメリットとしては、メガソーラーは規模が大きいため、台風など自然災害によって受ける被害も大きくなりやすいことがあげられます。また、大規模に太陽光パネルが設置され景観が変わるため、近隣住民とのトラブルの可能性もリスクとなるでしょう。

太陽光発電への投資に失敗・後悔しないためにできること
投資には、メリットだけではなくリスクも存在します。太陽光発電の場合、具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか。
想定されるリスクとしては、将来的な売電価格の低下、施工業者による施工不良や失敗、パネルの劣化や故障、パワーコンディショナーの交換などがあります。また、自然災害による被害など思わぬ損害を被る可能性もありますし、自然エネルギーを利用するため、シミュレーション通りに発電しないことも考慮する必要があります。
太陽光発電のリスクとリスク回避に関してくわしくは、「太陽光発電に投資すべき?失敗しないためにはリスクを回避するのが大切!」、「太陽光発電はやめたほうがいい?その理由と解決策について解説」をご覧ください。
売電価格が低下していることなどから、「太陽光発電は儲からない」という声が増えています。しかし、現状の変化に合わせて投資方法も変化しており、2021年でもできる投資方法があります。リスクを考慮しつつ、適切な投資を見極めることが大切です。