太陽光発電のメリットとデメリットを電気代や環境面からまとめてご紹介!
2019.5.8

太陽光発電には、たくさんのメリットがあるといわれています。
例えば、「災害時などで停電しても安心」「地球にやさしい」「余った電気が売れる」などを聞いたことがあるかもしれません。
設備コストも下がっていることで、太陽光発電に興味を持たれる方が増えています。
しかし、「メリットばかりではなく、デメリットもきちんと知りたい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、太陽光発電のメリットとデメリットを、電気代や環境面からわかりやすく解説します。
5分程度で読めますので、ぜひご一読ください。
太陽光発電のメリットとデメリットって?
太陽光発電とは、一言でいえば「太陽光を使って発電するシステム」です。
現在、日本では約300万件の導入実績があります。
日本政府は、2030年までのエネルギー転換を目標に掲げており、太陽光はこれから主流になる電力とされています。
太陽光発電を導入すると、電気を自分の家で作れるため電気代が安くなる上、余った電気を売って収入を得ることもできます。
しかし、太陽光発電には設備の設置が必須であり、知識やまとまった費用が必要です。
導入を検討する際に大切なのは、メリットとデメリットを正しく知り、得するか損するかを考えることです。
太陽光発電のメリットとデメリットについては次項から解説していきます。なお、太陽光発電の仕組みについては「太陽光発電の仕組みをおさらい!発電システムや産業用設備の仕組みもわかりやすく解説!」で詳しく紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
太陽光発電のメリットを知ろう!
まずは、太陽光発電のメリットをご紹介します。
一般的に考えられるメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
- 災害(地震や台風)による停電などの緊急時に代用できる
- CO2を出さない
- 曇りや雨の日でも発電できる
- 節電意識が高まる
家庭で常に電気を作ることができ、災害にも備えられることは、この日本では大きなリスクヘッジになります。
さらに、電気代や導入費用に関するメリットも数多くありますので詳しく見ていきましょう。
太陽光発電の電気代に関するメリット
太陽光発電は、電気代に関するメリットが数多くあります。
具体的には、
- 光熱費を削減できるため家庭の電気料金が安くなる
- 余った電気は売電する(電気を売ってお金に変える)ことができる
- 蓄電池をつければ夜などの発電していない時間にも使える
- HEMSと組み合わせて電気の運用を自動化できる
- オール電化と相性がいい
- 太陽光発電を導入している方向けの、お得な電気料金プランがある
- 自家消費型の場合、確実に補助金制度がある
などです。
電力を自分でまかなうことで、電気を買わなくてすむことから、電気料金が安くなります。
それに加えて、家庭で使う以上の電気を発電した場合は、電力会社に電気を売ることで、収入を得られます。
売電価格が気になるところですが、一定期間は固定価格で買い取ることを保証してくれるルール(固定価格買取制度)があるので心配無用です。
太陽光発電を導入する場合、蓄電池をあわせて設置すると良いでしょう。屋根に設置するソーラーパネルなどの設備だけでは、電気を貯めることはできませんのでご注意ください。
夜間は蓄電池の電気を使うなど工夫すると、節電や売電がさらに効率的になります。
さらに、他のサービスや機能と組み合わせることで、節約や省エネ効果がアップします。
例えば、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)と組み合わせれば、電気機器の使用を自動制御できます。
オール電化とも相性がいいです。オール電化はどうしても電気代が気になるところではありますが、電気を自宅で作れる分、光熱費を抑えられます。
また、電力会社の中には、太陽光発電を導入している方向けに料金プランを用意している場合もありますので、うまく活用すればお得に生活できます。
「そもそもの設置費用が高いのでは?」とお考えになるかもしれませんが、主な目的が自家消費の場合、補助金制度を利用できます。
確かに一時的にはまとまった金額が必要ですが、長い目で見れば、大きな損を出すこともなくリスクは低いと考えられます。
太陽光発電の設置・メンテナンスに関するメリット
太陽光発電の設置・メンテナンスに関するメリットもご紹介します。
具体的には、
- 初期費用が安くなっている
- 駐車場でもソーラーパネルを設置が可能
- 北向きの家以外には設置場所を選ばない
- 耐熱性がある
- アパートのベランダでも自作のソーラーパネルの設置が可能
- ソーラーパネル自体は丈夫で劣化が緩やかなので、寿命が長く故障しにくい
- パネルやパワコンの性能が向上している
などがあります。
太陽光発電周りの技術が向上したおかげで、設備の設置費用は安くなっています。
同時に売電価格も下がってはいますが、以前は導入コストが非常に高かったことを考慮すれば、電力会社からの売電収入の利益率にあまり変化はありません。
「ソーラーパネルは、よほど広い敷地か屋根にしか付けられない」というイメージがありますが、実は、駐車場でもアパートのベランダでも設置は可能です。
また、近年では、太陽光発電設備自体の発電する性能もアップしたうえに、劣化が緩やかになり故障するケースも少なくなってきています。そのため、手の届く範囲の場所に設置することで、安心して発電が期待できます。
北向きの家の場合は、きちんと設置場所を考える必要があるので、注意が必要です。北側はどうしても光が当たりにくく、電気の発電効率が他よりも下がるためです。
ただし、場所さえ考えて設置すれば、電気代の節約は十分期待できます。
今後は、太陽光パネルやパワーコンディショナー(パワコン)の性能がさらに高まることが期待できます。ですので、設置やメンテナンスに関するメリットは、かなりあると言えるでしょう。
太陽光発電のデメリットは何?
家庭での太陽光発電には、多くのメリットがありますが、その一方で、気をつけなければいけない点もあります。
太陽光発電で考えられる一般的なデメリットや懸念事項としては、次のようなものが挙げられます。
- 電気の発電量は日射量、影、積雪などの天候や気象条件により左右される
- 台風や地震によって屋根のパネルなどが壊れる可能性がある
- 雨漏りや、蜂や鳥などの生物が巣を作るといったリスクがある
しかし、もっとも懸念されるのが、「電力の売電」や「設置・メンテナンス」に関するデメリットではないでしょうか。
こちらでは、売電や設置・メンテナンスに関するデメリットをご紹介します。
デメリットを把握することで適切な対策を取ることができ、設置後に困ることが少なくなりますので、参考にしてみてください。
太陽光発電の売電に関するデメリット
太陽光発電の電気代や収入に関するデメリットとしては、以下のようなものがあります。
・売電価格が年々安くなっている
・10年間の固定売電期間を過ぎた場合、それ以降の売電価格は固定価格よりも低くなる可能性がある
売電価格は下落傾向にあります。売電価格についてくわしくは「太陽光発電の売電価格!今後の推移や買取期間終了後の売電はどうなるの?」で紹介していますので、参考にしてみてください。
住宅用太陽光発電の場合、売電価格は「固定価格買取制度(FIT制度)」によって、10年間固定されています。
一方で、11年目以降は、各世帯や会社自らが電気を買ってくれる電力会社を見つけなければならない可能性があります。
しかし、これを危険なリスクと考える必要はありません。
前項でも述べたとおり、設置するための初期費用は安くなっています。基本的に、設置費用はFIT制度が適用される10年以内に回収ができるよう設定されています。
そのため、投資額にまったく見合わず大損するリスクは低いといえます。
また、固定価格買取制度で電気を買い続けた電気会社も、そのまま買取を続けてくれる可能性が高いです。2019年には、すでに10年の期間が満了する家庭が現れます。しかし、買取継続を発表している電力会社も出ています。
固定価格よりも低い金額で売る可能性はありますが、売電収入がいきなり途絶える、ということはほぼないと考えられます。
太陽光発電の設置・メンテナンスに関するデメリット
家庭での太陽光発電の設置・メンテナンスに関するデメリットとしては、以下のようなものがあります。
- 初期費用(設置費用)の敷居が高い(100万~)
- 北向きの家には向かない
- 屋根に負担がかかる
- パワーコンディショナーなどの電気機器の交換が必要なので、費用をプールしておく必要がある
- 自然災害に備えて保険に入る必要がある
- 設備の撤去に15万円ほどかかる
補助金制度の利用などで緩和される部分は多いですが、初期費用(設置費用)に対しては、どうしてもハードルが高く感じられます。売電価格が下がっているので、余計に導入に踏み切りにくいかもしれません。
しかし、以前よりは施工業者も作業に慣れ工数も減り、導入費用は安くなっています。また、技術向上や普及が進んだことで、安価な機器本体も登場しています。
そのうえで電気代がお得になるプランを利用すれば、初期投資額の回収率アップも期待ができます。
「お金」については、導入費用だけではなく、維持費や撤去費用のことまで考えておく必要があります。
太陽光発電に必要な設備は、パネルだけではありません。パワーコンディショナーなどの電気機器は途中で交換が必要です。そのため、交換費用を用意しておく必要があります。
なお、保証期間内は無料ですので念のため、契約書はよくチェックしておきましょう。
また、屋根が北向きの場合は太陽光が当たりづらく、発電しにくいため、採算が取れない可能性があります。もし、日が当たる駐車場や南向きのベランダなどがあれば、そちらに設置することをおすすめします。
太陽光パネルを設置することで、屋根に負担がかかると懸念を抱く方もいらっしゃいます。
基本的に、新築の場合は問題ありません。しかし、築年数が長い建物の場合は、その旨を業者に必ず相談しましょう。
日本は自然災害が多く、強風や落雷の影響で発電設備が壊れてしまうリスクはデメリットの一つでしょう。
しかし、これに備えた保険も多数用意されています。修理や交換にかかる費用を考えれば、不必要な出費を避けられるので、保険の加入は大事な手段といえます。
それともう一つ、設備の撤去は無料ではできません。
業者によって差がありますが、15万円ほどの撤去費が発生します。極端に高額というわけではありませんが、不測の事態に備えて事前に用意しておくことをおすすめします。
ご紹介してきたとおり、太陽光発電のメリットとデメリットには、さまざまなものがあります。
しかし、デメリットに関しては、きちんと適切な対策を取れば、大きな問題はありません。何よりも、地震や水害など災害が多い日本において、非常時に電力を使えるというメリットは大きいです。
この記事を参考に、太陽光発電の良い面と悪い面の両方を抑え、導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。