太陽光発電に投資すべき?失敗しないためにはリスクを回避するのが大切!
2019.5.2

将来性がある投資対象として注目を浴びた太陽光発電。売電による利益を期待して太陽光発電システムを導入しようとしている方も多いのではないでしょうか。
将来性の一方で、太陽光発電投資ではリスクも警戒しておく必要があります。
この記事では、太陽光発電への投資で利益が出る仕組みやメリット、デメリットについてお話しします。
太陽光発電への投資で儲かる仕組みは?
太陽光発電の投資で利益を出すためには、利益の仕組みを把握しておく必要があります。
不動産投資に代表されるような設備投資と同じように、太陽光発電にも初期費用が発生します。また、太陽光発電の性能を維持するためには、管理費やメンテナンス費用などランニングコストの支払いも必要です。
対して、発電した電力を自家消費する場合は、電気代の削減額が収入です。発電した電気を売電する場合は、その売上額も直接的な収入と言えるでしょう。
コスト全体をA、収入をBとした場合、B-Aが収益です。
単純に考えて、ランニングコストが収入より多ければ初期費用は導入から期間が経過すると回収可能です。
それ以降は、収入とランニングコストの差額がそのまま利益になります。
初期費用に関しては、「〇年経過した時点で回収できる見込みである」というシミュレーションをしておくことが大切です。
以下では、太陽光発電投資による利益を最大化するためのポイントについてお話しします。
太陽光発電への投資で儲けるためには?
太陽光発電を開始してしばらくは、収益を初期費用の回収に充てることになります。
当然ながら、初期費用が小さいほど回収期間も短くなります。利益を早く出すためにはなるべく初期費用を安くおさえることが大切です。
一方で、太陽光パネルは製品によって発電効率が異なります。発電効率が15~20%の製品が主流ですが、小さな発電効率の違いで大きな収益の差が生まれるため、購入の際には注意が必要です。
高効率の太陽光パネルほどコストが高いため、初期費用とのバランスを考える必要があります。
システムの選定には、見積会社を利用するのがおすすめです。予算や設備用地に合わせて適切なシステムを選定してください。また、製品の詳細な性能を調べるためにメーカーサイトも確認しましょう。
太陽光発電に投資するメリットは?
太陽光発電は投資家の間でも注目されている投資対象です。具体的にはいくつかのメリットが高く評価されています。
太陽光発電に投資する代表的なメリットをご紹介します。
太陽光発電の投資メリット①確実な収入を確保できる
太陽光発電への投資で、第一のメリットは確実な収入を確保できる点です。
固定買取価格制度(FIT法)によって、一定期間は固定価格での買い取りが保証されています。一度太陽光発電を始めてしまえばこの価格が下落することはないため、シミュレーションも容易です。
この恩恵を受けやすいのが産業用太陽光発電です。
産業用の場合、20年間という長期の固定価格買取が保証されています。また、発電した電気をすべて売却する「全量買取」を選択できる点もメリットです。
太陽光発電の投資メリット②利回りが高い
太陽光発電投資の利回りは10~12%だと言われています。
この数値は、株式投資や債権、不動産投資など他の投資対象と比較しても高水準です。さらに、太陽光発電の利回りは固定価格買取制度があることから、変動する可能性はほぼありません。
売電価格自体はピーク時と比較すると半分以下に下落しています。
一方で、利回り自体は大きく変わっていません。これは、導入費用やランニングコストなど太陽光発電のコストが下がってきたことが要因です。
太陽光発電の投資メリット③節税対策、税制メリット
支払った消費税が売電で預かった消費税より多い場合は、消費税還付が利用可能です。
手続きが必要ですが、太陽光発電システムの導入時に支払った消費税の大半が返還されます。
また、即時償却や7%の税額控除が受けられる「中小企業経営強化税制」など税制面での優遇措置も少なくありません。
太陽光発電の投資リスクも知っておこう
上述したメリットの一方で、太陽光発電投資にはリスクもあります。
投資対象として太陽光発電を選ぶ上では、リスクについてもしっかりと理解し、対策をとることが大切です。太陽光発電の投資リスクを以下でご紹介します。
太陽光発電の投資リスク①パネルの劣化
太陽電池自体は消耗をともなわないため、半永久的に機能を保ちます。
しかし、設置場所の関係上、風雨や炎天下にさらされることになる太陽光パネルは経年劣化を免れません。
多くの太陽光パネルは毎年少なくとも1%程度は発電量が落ちていきます。
経年劣化が起こるのはパワーコンディショナーも例外ではありません。
パワーコンディショナーは太陽光パネルで生まれた電気を売電できる形に変化させる役割を担っているため、性能が低下すると結果的に売電量が少なくなります。
投資のシミュレーションをする際は、システムの経年劣化による発電量減少について考慮する必要があります。また、性能を維持するためにはメンテナンスが不可欠です。
太陽光発電の投資リスク②将来的な売電価格の低下
固定価格買取制度で買取が保証されているのは最長20年間であり、21年後の買取価格については正式に言及されていません。固定価格が年々下がっていることをふまえると、21年目以降には当初の売電価格から下落してしまうことは免れないでしょう。
ただし、国は太陽光発電を重要な再生可能エネルギーのひとつとして位置づけているため、売却ができなくなる可能性は低いでしょう。
売電をする個人や事業者にとってメリットがあるように、将来も売電価格が調整される見込みです。
太陽光発電の投資リスク③自然災害
太陽光発電は自然の影響を大きく受ける発電方式です。
悪天候によって発電量が落ちてしまうだけではなく、大型災害によって設備が被害を受けてしまう事態も考えられます。
天候によって受けた売電収入の損失に対しては、保険会社から提供されている売電補償でカバーできます。
太陽光発電へ投資する場合、災害の被害にそなえ、自然災害保険に加入しておくのもおすすめです。
太陽光発電への投資による副産物
太陽光発電投資は、金銭的な利益以外の副産物も生みます。
災害で電力会社からの電力供給がストップしてしまった際、電気を利用できるシステムがあることは大きな安心感につながるでしょう。また、自家消費に切り替えれば、光熱費削減もできます。
太陽光発電投資の将来性は不透明な部分もありますが、こうした太陽光発電そのものの魅力は変わりません。投資、自家消費など、用途を変えられるのも太陽光発電の長所です。
他の投資と同様に太陽光発電にもメリットとデメリットがあります。
着手するうえでは、それぞれを把握しておくことが大切です。太陽光発電を開始しようとしている方は、今回の内容を参考に、リスクの少ない太陽光発電投資を心がけてください。