太陽光発電所とは?投資するメリットは?売電価格や発電量を解説
2020.5.15

一般的に、太陽光発電所はどのようなものか、ご存じでしょうか? 主に、産業用の太陽光発電を指し、メガソーラーとも呼ばれています。
そんな、太陽光発電所について、投資を検討している方に向け、太陽光に投資するメリットや、失敗しないために知っておくべき、太陽光発電の売電価格や発電量について解説します。
太陽光発電所とは?売電できるの?
太陽光発電所とは、出力1MW(1000kW)以上の太陽光発電システムのことです。「メガソーラー」と呼ぶこともあります。
太陽光発電所は大規模な発電施設であり、産業用に導入されるシステムです。住宅用の太陽光発電システムは、太陽光発電所とは言いませんので、ご注意ください。
売電することを前提に、太陽光発電所は投資先として注目を集めています。また、固定価格買取制度の後押しなどもあり、電力会社以外でも、メガソーラー事業に参入する企業が増えています。
メガソーラーについては、「メガソーラーとは?ビジネスで注目されるメガソーラーのメリットや注意点、導入事例もご紹介」で詳しく解説しています。

太陽光発電所の売電価格は入札制
産業用(10kW以上)太陽光発電システムは、FIT制度によって、20年間にわたって一定価格での買取りが保証されています。
電気の調達価格はkW数によって異なり、調達価格等算定委員会の意見をもとに、経済産業大臣によって決定されます。
2020年度の売電価格は、以下のとおりです。
- 10kW以上50kW未満が13円+税
- 50kW以上250kW未満は12円+税
- 250kW以上は入札制度により決定
2019年度の売電価格は、10kW以上500kW未満が14円+税でした。なお、500kW以上の発電量については入札制となっていました。
売電価格は毎年度下がっているため、「売電収入が得られないのでは?」と心配になるかもしれません。しかし、太陽光パネルの費用などの導入・設置にかかるコストも同時に下がっているので、導入はしやすいといえます。
売電について詳しくは、「【売電情報まとめ】太陽光の売電価格、期間、FIT終了後の対応を解説」をご覧ください。
太陽光発電所に投資するメリットとは?
太陽光発電所に投資すると、以下のようなメリットがあります。
- 利回りが高い
- FIT制度により買取が約束されている
- 収益のシミュレーションがしやすい
産業用の発電システムは、10%前後の利回りが見込めるとされています。もちろん、投資前に設置場所の日射量や土地の状態などを吟味する必要はありますが、不動産投資に比べて高い利回りは、太陽光発電所投資の魅力といえます。
FIT制度によって、国が20年間にわたって買取価格を保証しているのも、大きな強みです。途中で電気が売れなくなる可能性は低く、安定した売電収入が期待できます。
収益化についてシミュレーションしやすいのもポイントです。長期の買取りが約束されていることで、初期費用の回収にどれくらいかかるか、どのように収益を上げるかといった予測・検討ができます。
投資開始後のシミュレーションがしやすいと、融資審査に通る可能性も高まります。
このように、太陽光発電所への投資メリットが多い一方、気をつけなければならない点もあります。

たとえば、ランニングコストです。発電設備の機能を維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。その際には、メンテナンス費用がかかります。
また、地震や台風といった災害などで、設備が倒壊する恐れもあります。システムを設置する際には、必ず現場環境の吟味や、信頼できる施工店への依頼が必要になります。
太陽光は再エネ発電所の中で最も発電量が多い
再生可能エネルギーは、地球環境への負荷が少ないクリーンなエネルギーのことです。具体的には、太陽光、風力、水力、波力、地熱、バイオマスなどが挙げられます。
日本では、再生可能エネルギーの将来的な主力電源化を目指して、再エネ発電所の導入拡大が進んでいます。エネルギー施策の基本計画においても、省エネルギー化の推進が掲げられています。
再生可能エネルギーについては、「再生可能エネルギーとは何かを簡単に解説!日本と世界の導入状況も」もございますので、併せてご覧ください。
具体的には、2017年度では発電量全体に占める再エネの割合が16%だったものを、2030年度までにエネルギーミックス前提で22~24%に引き上げることを目標としています。
エネルギーミックスについては、「エネルギーミックスとは?日本のエネルギー事情をふまえて解説」をご覧ください。
再エネ発電の中でも、太陽光発電は他のエネルギーに比べて導入のハードルが低く、発電量も多いことから期待を集めています。
では、実際のところ、太陽光の普及率はどれくらいなのでしょうか。
経済産業省発表の資料によると、2019年3月末時点で、FIT制度開始後に新たに運転を開始した設備の約93%、FIT認定容量の約80%を太陽光が占めています。
固定価格買取制度の影響もあって、個人住宅だけでなく、事業として太陽光発電を始めた企業も数多くあります。

太陽光発電所の発電量の目標は「2030年までに6,400万kW/年間」であり、そのうち非住宅用は5,500万kW/年となっています。
2019年3月時点で、住宅用・非住宅用と合わせた発電量は5,020万kW/年です。
今後も、太陽光発電所の発電量は増加していくことが見込まれます。
日本の太陽光発電所による発電量を紹介
こちらでは、全国にある太陽光発電所をご紹介します。地域や規模、出力エネルギー、今後の可能性などを検討するうえで、ぜひ参考にしてください。
①軽米西ソーラー発電所
- 所在地:岩手県九戸郡軽米町
- 設備容量:48MW
- 使用面積:約155万m²
- 想定年間発電量:5,000万kWh
②那須塩原ソーラー発電所
- 所在地:栃木県那須塩原市
- 設備容量:26.2MW
- 使用面積:約29万m²
- 想定年間発電量:2,830万kWh
③株式会社富津ソーラー
- 所在地:千葉県富津市
- 設備容量:40MW
- 使用面積:約44万㎡
- 想定年間発電量:4,200万kWh
④浮島太陽光発電所
- 所在地:神奈川県川崎市川崎区浮島町
- 設備容量:7MW
- 使用面積:約11ha
- 想定年間発電量:740万kWh
⑤大津町ソーラー発電所
- 所在地:熊本県菊池郡大津町
- 設備容量:19MW
- 使用面積:約24万m²
- 想定年間発電量:2,000万kWh
【投資の前に】太陽光発電所一覧を調べる方法
投資を検討する場合、メガソーラーの導入予定地や近隣の発電状況など、さまざまな情報を知りたいと思われるかもしれません。
こちらでは、太陽光発電所一覧およびパフォーマンスの調べ方をご紹介します。
- 全国の太陽光発電所を調べる「日本全国の太陽光発電所(メガソーラー)一覧地図・ランキング」
どの地域にどんなメガソーラーがあるのかを調べたいとき、参考になるサービスです。
発電所名や事業者名、どれくらい出力しているのか、といった情報を検索できます。また、電力会社ごとに調べることもできます。
太陽光発電所(メガソーラー)は大規模発電システムであり、投資対象として期待を集める存在です。高利回りや安定的な売電収入といったメリットが期待でき、国として発電施設の導入を進めていることから、今後も成長が見込まれています。
メガソーラーは全国各地に設置されており、さまざまな情報も手に入りやすくなっています。太陽光発電所への投資に興味があれば、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。