遠隔監視システムとは?太陽光発電に必要なシステムの機能・費用を解説
2020.6.29

遠隔監視システムは、太陽光発電の運用において、 トラブルを速やかに察知し、売電収入を維持するために、欠かせない存在です。この記事では、遠隔監視システム導入のメリットや人気システムの特徴などについてご紹介します。
太陽光発電に遠隔監視システムは必要?導入のメリットは?
遠隔監視システムは、 稼働状況を遠隔地からチェックできることを目的に、 多くの工場や商業施設などで導入されています。ビジネスシーンでの導入が目立つIoT(Internet of Things)の一環として注目されています。
太陽光発電でも、遠隔監視システムにより、離れた場所から発電システムの稼働状況や発電量などをパソコンやスマホ、タブレットなどからチェックできます。
太陽光発電システムの発電量は、さまざまな要素の影響を受けます。とりわけ気を付けなければならないのが、太陽光パネルの故障、ケーブルの断線、雑草の影などによる発電量低下です。こうしたトラブルに気づかずシステムの稼働を続けると、売電による利益が予期せず大きく低下してしまうことになります。

遠隔監視システムを導入していれば、トラブルに早い段階で気づくことが可能です。気づき次第速やかに対応を行えば、上述した損失を最小限に食い止めることができます。
太陽光発電システムの発電量について、詳しくは「【太陽光発電の発電量】これを読めば1日/時間帯/月間/年間の発電量を計算できる」をご覧ください。
太陽光発電システムでの遠隔監視の種類・機能を紹介
太陽光発電システムの遠隔監視は大まかに2種類に分けられます。以下ではそれぞれの種類と、代表的なブランドについてご紹介します。
遠隔監視システムの種類
遠隔監視システムは「電流を監視して発電量をチェックするもの」「PCS(パワーコンディショナー)などの稼働状況をチェックするもの」の2種に分けられます。
電流を監視して発電量をチェックするもの
発電システムによる発電量を常に監視します。発電量はシステムから送られる電流によってチェックします。
PCS(パワーコンディショナー)などの稼働状況をチェックするもの
PCS(パワーコンディショナー)の稼働状況を監視するタイプの遠隔監視システムもあります。
パワーコンディショナーは太陽光パネルによって生成された直流の電気を交流へと変換するための装置であり、一般的な太陽光発電システムには不可欠な要素です。
遠隔監視システムのブランド
遠隔監視システムの代表的なブランドをご紹介します。
産業用エコめがね/住宅用エコめがね
「エコめがね」は株式会社NTTスマイルエナジーが提供している遠隔監視サービスで、産業用と住宅用があります。1日当たりの実績や月ごとの発電量の履歴が確認できます。ポップでわかりやすい画面が魅力です。
みえるーぷ®
「みえるーぷ®」は株式会社Looopが提供している遠隔監視サービスです。発電システム単位やパワーコンディショナー単位で稼働状況を監視します。日報メールやアラート機能が充実しており、太陽光発電施設の異常を察知しやすいシステムです。
L・eye
「L・eye」は株式会社ラプラス・システムが提供している遠隔監視システムです。低価格ながら、発電所の診断、複数設備の総合監視など機能面が充実しています。パワーコンディショナーの出力制御も可能です。
各ブランドの特徴をまとめると、以下になります。
エコめがね | みえるーぷⓇ | L eye | |
提供 | NTTスマイルエナジー | Looop | 株式会社ラプラス・システム |
特徴 | ・シンプルなUIと簡単操作 ・自家消費量に応じてたまるポイントシステム | ・ユーザーへの通知機能が充実 ・施設単位、PCS(パワーコンディショナー)単位の計測可能 | ・コストパフォーマンスに優れる多機能システム ・出力制御が可能 |
遠隔監視の導入費用【太陽光発電版】
遠隔監視システムの導入するためにはどれぐらいの費用がかかるのでしょうか。
一般的に遠隔監視システムは月額のクラウドサービスです。導入費用のほか、利用月ごとに以下の費用が発生します。

- エコめがね:要見積もり依頼
- みえるーぷ®:30,000円(年間サービス利用料金)
- L・ eye:要見積もり依頼
さらに、導入する際には、システムのランニングコスト以外にパソコン、スマホ、タブレットの端末費や通信費も発生します。また、システムによっては発電量データを保存するためのクラウドストレージ料金が別途発生する場合もあります。
太陽光パネルのメンテナンス費用について詳しく知りたい場合は「太陽光パネルのメンテナンス費用と方法は?義務化されている?」をご覧ください。
遠隔監視システムは太陽光発電の稼働状況のチェック、売電収入の管理などには必須です。近年は、この記事でご紹介したように、専門家以外でもわかりやすく利用しやすいシステムが提供されています。
太陽光発電投資を検討している方は、同時に遠隔監視システムの導入もご検討ください。