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太陽光発電の原理や仕組みを徹底解説!【基礎知識からシミュレーション方法まで】

2021.3.26

この記事では太陽光発電の導入を検討している方に向けて、太陽光発電とはどのようなエネルギーで、どのような仕組みで発電されているのかを説明します。また、太陽光発電のメリットや課題、発電量のシミュレーションについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

太陽光発電の原理・仕組みをわかりやすく解説!

太陽光発電は、太陽からの光エネルギーが太陽電池に当たることで光電効果と呼ばれる反応が起きることで発電しています。太陽電池はシリコンなどの半導体でできおり、日光が当たることで半導体の電子が動き、発電します。「太陽電池」と電池という名称ですが、電気をためこむものではなく、実際には発電機の役割をしています。

光電効果のイメージ

建物の屋根や使っていない広い土地に設置するソーラーパネルは、太陽電池をつなげたものです。また、規模が大きな太陽光発電施設を「メガソーラー」と呼びます。

太陽光発電システムの構造・周辺機器をご紹介

太陽光発電には、太陽電池だけでなくさまざまな設備が必要になり、以下のような機器を用いて行われます。

太陽光発電システムの構造イメージ

ソーラーパネル(太陽光発電モジュール)

太陽電池をつなげてパネル状にしたものです。太陽電池モジュールや太陽光パネルと呼ぶこともあります。

パワーコンディショナー

パワーコンディショナーは、直流の電気を交流に変換する機器のことです。電気の流れには直流と交流があり、家庭で使う電気製品などで使用する電線を伝って送られてくる電気は交流ですが、太陽光発電で作られる電気は直流です。作った電気を電力会社に送ったり、家庭で使ったりするためには直流の電気を交流に変換する必要があります。そのための変換機器がパワーコンディショナーです。

交流と直流の違いを家電製品で説明すると、テレビや掃除機などコンセントを使用するものは、電気がプラスとマイナスで交互に流れる交流に対応しており、リモコンやおもちゃなど電池を入れる向きが決まっているものは、電気が一方方向に流れる直流に対応しています。

分電盤と電力量計(メーター)

パワーコンディショナーで直流から交流に変換された電気は、分電盤から各部屋のコンセントに送られます。分電盤という名前の通り、電気を分ける役割をしています。

分電盤は、発電した電力のうち、使いきれず余った電気を、送電線側に振り分ける役割も担っています。

自家発電をしていない場合や、夜間など太陽光発電を設置していても発電が行えない場合、基本的には電力会社から電気を買います。その際にどれくらい電気を使用したかをチェックするものとして建物には、電力メーターが設置されています。このメーターの事を買電用電力量計(買電メーター)と言います。また、電気を電力会社に買い取ってもらう際には、どれくらいの電気を送電(売電)したかをチェックする売電用電力量計(売電メーター)と呼ばれる電力量計を買電メーターの隣に設置します。

太陽光発電のシステムや周辺機器については『太陽光発電システムの基本知識【よくわかるまとめ】』の記事を参照してください。

電力メーターを設置

太陽光発電の特徴とは?メリット・課題を解説!

太陽光発電は、再生可能エネルギーの1つです。再生可能エネルギーとは、「枯渇しない」「温室効果ガスを発生しない」の2つの要素を満たすエネルギーのことです。再生可能エネルギーには太陽光発電以外にも風力発電や水力発電などがあります。

太陽光発電は環境に優しいという大きなメリットがある一方で、課題も抱えている発電方法です。ここでは太陽光発電のメリットと課題について説明します。

太陽光発電のメリット

太陽光発電にはさまざまなメリットがあります。

  • 枯渇しない

太陽光発電は、風力発電や水力発電のように燃料などを使用せず、自然の力を利用して発電するシステムのため、枯渇する事がありません。

  • 温室効果ガス(CO2など)を発生しない

こちらも他の再生可能エネルギーと同様、発電の際に温室効果ガスを排出しない為、地球温暖化対策に大きく貢献できます。

  • 設置がしやすい

太陽光発電に必要なソーラーパネルは、住宅の屋根だけでなく、倉庫や工場の屋根にも多く設置されています。また、屋根に限らず地面や水面にも設置が可能です。例えば耕作放棄地に設置したり、あまり日光の必要ない作物を合わせて農地に設置したりする事もできます。

  • 管理が容易

ソーラーパネルの寿命は20~30年ほどとされており、故障も少ないのが特徴です。発電量を維持するために、定期的なメンテナンスが必要となりますが、近年では発電量の低下の原因の埃や汚れなどをつきにくくするものも開発されています。また、太陽光発電の発電量はモニターで確認できるので、異常にも気付きやすく管理が他の発電と比べると容易だといえます。

太陽光発電のメリットについて詳しくは『太陽光発電のメリットとデメリットを電気代や環境面からまとめてご紹介!』をご覧ください。

ソーラーパネルのメンテナンス

太陽光発電の今後の課題

一方で、太陽光発電が抱える課題には以下のようなものがあります。

  • 天候に左右されやすい

太陽光発電の発電量は、日照時間や日射量によって大きく変動します。雨天時や降雪の日は発電量が少なくなります。これは太陽光をエネルギー源とする以上、避けては通れないことですが、少ない日射量でも発電できる太陽光発電システムを採用すれば発電量のバラつきをある程度抑えられます。

  • 導入コストが高い

太陽光発電設備を導入にあたっては、住宅の屋根に設置する小規模なものであっても100万円以上は必要になります。もちろんメーカーや施工業者によって価格は異なりますが、導入にはそれなりのコストがかかることには変わりありません。以前と比べ導入費用が下がってきたとは言え、一定のコストがかかることは知っておくべきでしょう。そのため、導入にあたっては発電量などの入念なシミュレーションが重要になります。

太陽光発電の今後の動向について、詳しくは『【2020年版】太陽光発電の今後の動向は?売電の動きや制度の変化を解説』を参照してください。

太陽光発電の原理を活用してシミュレーションしてみよう

太陽光発電システムの導入を検討している方には、「自社で使う電力を賄いたい」「売電して収益を得たい」など電力の利用目的ありますが、太陽光発電は立地や気候などによって発電量が大きく左右されるため、導入前には、その目的に対して十分な電力が発電できるかどうかシミュレーションを行うことはとても重要です。

シミュレーションには、発電量を予測するものと、どれくらいの収益があるのかを予測する2パターンあります。どちらも太陽光発電システムの販売業者に依頼して行うのが一般的ですが、簡易的なシミュレーションは自身でも行えます。

シミュレーションの仕方は統一されたルールがあるわけではなく、中には契約するために都合のよいシミュレーションを行う業者もいるため、自身でもシミュレーションすることをおすすめします。

自分で行うシミュレーション方法を含めた、太陽光発電のシミュレーションについては、『太陽光発電のシミュレーションが必要な理由や方法、注意点まで徹底解説!』で詳しく解説していますので、参考にしてください。

太陽光発電のシミュレーション

シミュレーションの前に知っておきたい発電量と発電効率

自身でシミュレーションをする場合や、業者に依頼する場合でも、知識として覚えておきたいのが発電量と発電効率です。

発電量は年間、月、日といった一定の期間で、どれくらい発電をするのかを表すもので、単位はkwhです。

発電効率は、エネルギーが電気に変換される割合のことです。ソーラーパネルに照射された太陽光は、そのすべてが電気に変換されるわけではなく、発電時には必ずロスが生じています。発電効率の数値が高いほどロスが少なく発電が出来ていることになります。太陽光発電の場合、発電効率は最大で20%ほどです。

発電量の計算については『【太陽光発電の発電量】これを読めば1日/時間帯/月間/年間の発電量を計算できる』の記事で、発電効率については『太陽光発電の発電効率とは?ソーラーパネルが影響しているって本当?』の記事でより詳しく解説しています。


太陽光発電は、太陽の光エネルギーを利用して発電し、ソーラーパネルで発電した電力はパワーコンディショナーによって交流に変換され施設内の電力や売電することができます。

また、太陽光発電は枯渇しない再生可能エネルギーを利用し温室効果ガスを排出しない発電というメリットがある反面、天候に左右されやすくなどデメリットもあり、導入する際にはシミュレーションをすることが重要です。

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