検索

検索

太陽光発電があれば災害時の停電も安心?自立運転の使い方についても紹介

2020.10.20

大型災害が起こると、電気や水道など重要なライフラインが止まってしまう可能性があります。大型の台風など災害につながる自然現象が観測される近年、停電が起こっても電気を使える仕組みとして、太陽光発電システムや蓄電池が注目されています。

この記事では、停電時に太陽光発電システムを利用するための自立運転機能付きパワーコンディショナー、自立運転モードへの切り替え方などについて説明します。

太陽光発電の電力は災害などで停電したときにも使える?

一般的な太陽光発電システムは、発電した電力を持ち主の工場や倉庫といった施設内で使う「自家消費」と、残った電力を電力会社に売る「売電」の2種類の方法で稼働しています。

一方で、停電して電力会社からの供給が止まってしまった場合は、太陽光発電システムを使うための回路や、売電するための回路も遮断されます。そのため、通常時と同じ設定のままでは、施設等で電気を使うことができません。

停電時に太陽光発電システムの電力を使うためには、自立運転機能付きパワーコンディショナーが必要です。停電時にパワーコンディショナーを「自立運転」のモードに切り替え、自立運転出力用のコンセントに電化製品のプラグを差し込むと、通常通り電気を使うことができます。産業用太陽光発電の場合も、自立運転機能付きパワーコンディショナーであれば、同じように利用可能です。

停電時

近年は、災害により停電が起きるケースが相次いでいます。そのため、自社工場などの屋根に自家消費型太陽光発電を導入し、災害時の停電対策(BCP対策)を行う企業が増えています。

停電時に慌てないために:太陽光発電の切り替え方法

先述の通り、停電してしまったときにはパワーコンディショナーも停止するため、通常の設定のままでは太陽光発電システムを使うことができません。停電時に太陽光発電システムを使うためには、「自立運転モード」に手動で切り替える必要があります。

なお、無停電電源装置が搭載されたパワーコンディショナーであれば、自動的に自立運転モードへ切り替えられます。この場合、切り替えの作業は不要です。

自立運転モード・非常電源モードへ切り替え方

自立運転モードへの切り替え方法はメーカーや機器ごとに異なります。また、そもそも自立運転機能が搭載されていない場合には、非常時に使えませんのでご注意ください。

以下は、一般的なパワーコンディショナーにおける自立運転モードへの切り替え方です。

1.現在の運転モードを本体パネル等で確認する

パワーコンディショナーのなかには、停電を感知した後、自動で自立運転モードに切り替わる機種があります。本体設置のパネルやランプなどで、自立運転モードを示す点灯がないかを確認してください。すでに自動運転モードになっている場合は、以下の操作は不要です。

2.パワーコンディショナーの運転スイッチを切る

パワーコンディショナーが通常モードで運転しているのを確認した後は、運転スイッチを切ってください。なお、機種によっては本体のパネル操作で自動運転への切り替えが行えるものもあります。この場合、電源スイッチをオフにすることは不要です。

3.分電盤の太陽光発電システム用ブレーカーをオフにする

パワーコンディショナーに自立運転コンセントが設けられているタイプの場合は、事前に分電盤の太陽光発電システム用ブレーカーを下ろしておく必要があります。

4.パワーコンディショナーの運転スイッチを入れる

3までの手順を済ませたら、パワーコンディショナーの運転スイッチを入れてください。電源投入から1分ほど経過すると、自立運転用のコンセントから電気が供給されるようになります。

なお、通常は、日没のタイミングで太陽光が途切れるため、発電が自動的に終了します。自立運転を再度開始するには、手動でパワーコンディショナーの電源を入れ、発電を再開してください。

通常モードへの戻し方

停電後、電気の復旧が確認できたら、以下の方法で、パワーコンディショナーを通常の稼働モードに戻しましょう。

なお、機器によっては、本体パネルでの操作だけで自立運転モードから通常モードへの切り替えができるものもあります。また、夜間に停電から復旧したタイミングで、自動的に通常モードへと切り替わるものもあります。これらの場合、以下の操作は不要です。

一般的なパワーコンディショナーにおける通常モードへの戻し方をご説明します。

1.パワーコンディショナーの運転スイッチを切る

まずはパワーコンディショナーの電源を切ります。この際、自立運転コンセントにつながっている家電等がある場合は、先に電源を落としておきましょう。

2.分電盤の太陽光発電システム用ブレーカーをオンにする

事前に下ろしておいた分電盤の太陽光発電システム用ブレーカーを上げてください。この操作を忘れると、分電盤へパワーコンディショナーからの電力が流れず、自家消費にも電気が回りません。

3.パワーコンディショナーの運転スイッチを入れる

最後にパワーコンディショナーの電源を入れます。この後、数分経過するとパワーコンディショナーが通常の稼働モードに戻ります。

太陽光発電と蓄電池を組み合わせて停電対策を

停電対策としてもうひとつ検討したいのが、太陽光発電システムと蓄電池の組み合わせです。

自立運転機能付きパワーコンディショナーが組み込まれた太陽光発電システムがあれば、停電の際も発電された電力を利用できます。ただし、夜間や雨の日は発電できないため、蓄電池がなければ停電のリスクを防げません。蓄電池を備えておけば、平時には充電しておき、停電時には非常用の電力として利用可能です。

停電対策

また、太陽光発電システムと蓄電池がどちらもあることにより、停電時には自家消費と充電を同時に行えます。太陽光発電システムなしで蓄電池を用意し、停電時の電力として備えておくこともできますが、貯めた電気を使い切ってしまった場合は充電することができません。


近年相次いでいる大型災害では、停電が長期にわたって続くケースも見受けられます。太陽光発電システムと蓄電池の併用で、通常時から昼間は光発電と蓄電池への充電、夜間は蓄電池を使用できる体制を整えておくと安心です。

発電所からの電力供給が止まった場合も、太陽光発電システムがあれば電気を利用できます。さらに、停電が長期化する場合に備え、蓄電池があると安心です。災害に備えて、太陽光発電システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

キーワード

この記事をシェアする

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • LINE
  • はてなブックマーク
  • はてなブックマーク

関連記事