オフグリッド生活のメリットや注意点!ソーラー発電のみのライフスタイルとは?
2019.11.22

「オフグリッド」とは、電力会社の送電網につながっていないことを指します。
近年では、災害時への備えやエコな暮らしを目指して、自宅に導入する人が増えています。
この記事では、オフグリッドの基本的な知識のほか、生活に取り入れるメリットや注意点などを詳しく解説します。
オフグリッド生活に興味をお持ちなら、ぜひ参考にしてください。
オフグリッドとは何かをわかりやすく解説
「オフグリッド」とは、電力会社などの送電網につながっていない、独立型電力システムのことです。
グリッドとは送電網のことであり、それをオフ(切る)する、という意味です。
身近なオフグリッドの例として、道路標識の電光掲示板や街灯などが挙げられます。これらは、交通の安全を守るため、停電時でも使えるように、独立電源になっています。
最近では、震災などでの停電をきっかけに、自宅にオフグリッドを取り入れる人が増えています。いわば、家で電気を自給自足する暮らしです。
なお、電気を自分でまかなう必要があるオフグリッド生活では、太陽光発電が重要な役割を果たしています
オフグリッドの基本は太陽光発電!自宅に導入する3つのパターン
オフグリッド生活をする方法は、太陽光発電システムを導入することが基本です。
太陽光発電の活用もさまざまで、大まかに分けて以下の3パターンがあります。
- 部分的にオフグリッドでの電力を使うパターン
- 部分的に電力会社の電力を使うパターン
- 完全なオフグリッド
暮らし方によって、最適なパターンは異なります。
それぞれについて、以下で詳しく見ていきましょう。
①部分的にオフグリッドでの電力を使うパターン
1つめは、市販されているオフグリッドキットなどの比較的小規模な発電システムを用いて、照明や携帯電話の充電といった限定的な量の電力をまかなう方法です。
オフグリッドキットは、ソーラーパネルやバッテリーなどがセットになっているもので、家で電気を発電するのは初めて、という人にも使いやすいのが特徴です。
発電には、100W~数百Wの太陽光パネルを用います。
②部分的に電力会社の電力を使うパターン
2つめは、自宅で使う電力の大部分を太陽光発電システムの自家発電でまかなうものの、電力会社の電源も残しておく、という方法です。発電した電気は、蓄電池に貯めて使います。
季節や使う家電によっては、自家発電による電力量では心もとなく、まかないきれないことがあります。その際には、電力会社の電力を活用するというスタイルです。
必要に応じて電気を使い分けられるため、安心感があります。
③完全なオフグリッド
最後のパターンは、主に、持ち家の人向けの方法です。
太陽光発電システムや太陽熱利用システム、薪ストーブなどを用いて、自宅に送電網をつながずに生活します。送電網から離れた作業小屋やログハウスに、この方法を導入する人も多いです。
このように、一口にオフグリッド生活といっても、やり方はさまざまです。
はじめは規模の小さいものから導入し、徐々に再生可能エネルギーでまかなう範囲を増やしていく、という人もいます。
興味がある場合は、まずは自分の生活に合わせて、少しずつチャレンジしてみるのもおすすめです。
オフグリッド生活のメリット・デメリットを紹介
「電力を自分で作るオフグリッド生活」は魅力的ですが、良い面のほか、気をつけたい面もあります。
こちらでは、オフグリッドを自宅に導入することのメリット・デメリットを紹介します。

オフグリッド生活のメリット
オフグリット生活のメリットは、以下の4つが挙げられます。
- 電気代が安くなる
- 停電時に非常用電力として使える
- 晴れた昼間に蓄電池や家電に充電すれば、夜間や雨の日でも十分に生活できる
- 環境にやさしい暮らしができる
まず何よりも、電気代が安くなります。電力会社から電気を買わない分、それだけ光熱費が削減できます。
また、緊急時に非常用電力として使えるのも、頼もしいメリットといえます。
太陽光発電システムの弱みといえば、「夜間や雨の日は発電できない」ことです。しかし、蓄電池があれば、この問題も解決します。蓄電池に電気を溜めておけば、それを使って生活できます。ただし、蓄電池の充電量には限りがありますので、その点には注意が必要です。
環境に優しい暮らしができるのも、オフグリッドの魅力です。
太陽光発電は、二酸化炭素を排出しません。また、限りある資源とされる化石燃料も使いません。自然の恵みを活用する暮らしは、環境問題を見つめ直すきっかけになります。
オフグリッド生活のデメリット
一方で、オフグリット生活のデメリットとしては、以下の4つが考えられます。
- 完全なオフグリッドでは、梅雨時期など季節によっては停電することもある
- 使用できる電力の量を自分で把握する必要がある
- オフグリッドのみに頼ろうとすると、節電が必須
- メンテナンス費用がかかる
暮らしの全てをオフグリッドにした場合、太陽光が少ない時期には発電量が減るため、生活に必要な量の電気を作ることができない可能性があります。梅雨など、太陽光発電の効率が落ちる時期は、蓄電池の残量を把握したり、節電したりする必要があります。
また、好きなだけ電気を買える生活とは異なり、オフグリッド生活は、使用できる電力の量を自分で把握する必要があります。「家電を使うには何W必要か」「家電が何時間使えるか」「どの時間帯にどれだけ使っているか」などを知っておけば、電力が足りずに慌てることもなくなります。
さらに、オフグリッド生活を送っていくためには、使用している機材のメンテナンス費用も必要です。太陽光パネルなどの機器が壊れたとき、メーカー保証が効かない場合は、実費が発生します。小規模なシステムなら、個人で機器交換できる場合もありますが、いずれにせよ、費用がかかります。
オフグリッドを自宅に導入する際は、予算やランニングコストもふまえて検討しましょう。
オフグリッド生活は、電力会社から電気を買うのに比べれば、どうしても電力供給が不安定になります。オフグリッドのみに頼ろうとすると、節電は避けられません。
ただし、環境への意識が高まるというメリットもあります。電気に頼らない暮らしは、エコであるだけでなく、災害時への対応力にもつながります。
オフグリッドは、電力会社の送電網につながずに、自分で電気をまかなう仕組みです。
ソーラー発電を活用したライフスタイルは、電気代が浮くだけでなく、停電対策や環境保護にもつながります。
好きなだけ電気を使えない、節電が必要といった注意点もありますが、オフグリッド生活を実践している人は、それらの不自由さを含めて楽しんでいることも多いです。
スマホの充電や照明など、小さなところからでも始められるオフグリッド。ぜひ、できるところからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。