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NEDO日射量データベースで太陽光発電の効率を知ろう

2019.5.22

自然エネルギーを利用していることから、太陽光発電の発電量の予測は簡単ではありません。一方で、投資として太陽光発電を始める多くの方は、太陽光発電の発電効率にとても関心を持たれています。
そうした方におすすめしたいのが、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公開している「日射量データベース」です。

この記事では、発電量を予測するうえで重要なヒントになるNEDOの「日射量データベース」についてお話します。

NEDO日射量データベースとは?

NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)はエネルギー問題の解決、日本の産業技術力強化を目的として、研究・技術開発を行っている組織です。
国や各産業、大学、公的研究機関などと連携し、社会課題の解決や市場の創出に取り組んでいます。また、太陽光発電に関する研究・情報提供にも積極的です。

NEDOのホームページでは、気象データから日射量を算出した「日射量データベース」が公開されています。国内837地点における過去の日射量が記録されており、太陽光発電による発電量の予測に役立ちます。
とりわけ、太陽光発電に投資している人や投資を考えている人にとっては有益なデータです。

大きく分けて以下の3種類のデータベースが公開されています。

  • 日射量データベース 
  • 日射スペクトルデータベース
  • アジア標準日射量データベース

それぞれ年々機能が拡張されており、より詳細な日射量を確認することが可能です。

NEDO「日射量データベース」で発電量を見積もる

まずは、NEDOが公開しているデータベースのひとつ「日射量データベース」について説明します。

NEDO「日射量データベース」でできる事は?

「日射量データベース」には、国内837地点における日射量が記録されています。現在は以下の3つのモードを利用可能です。

①   年間時別日射量データベース

年間時別日射量データベースでは、1990~2009年に記録された各時間の日射量により、日射量を予測できます。
方位角ごと、傾斜角ごとの日射量が算出できるため、太陽光パネルの角度を決める参考情報として役立ちます。その他、降水量や気温など気象データも収録されています。

②   年間月別日射量データベース

年間月別日射量データベースには、1981~2009年に収録された方位各別、傾斜角別の総日射量が表示されます。年間・月間など、一定期間の発電量を推測するのに役立つデータベースです。
このデータベースは、JIS C8907「太陽光発電システムの発電電力量推定方法」で推奨データとして記載されています。

③   全国日射量データベース

全国日射量データベースは、各地の日射量をマップ化して表示します。②の年間月別日射量データベースの内容がマップ形式で可視化されています。

NEDO「日射量データベース」の使い方

年間時別日射量データベース、年間月別データベースの使い方は基本的に同じです。ダウンロード不要なWeb版の日射量データベースの使い方について簡単に紹介します。

  1. NEDOの日射量データベースサイト(https://www.nedo.go.jp/library/nissharyou.html)を開きます。
  2. ページ中央の「日射量データベース閲覧システム」クリックし、「年間時別日射量データベース」「年間月別データベース」から任意のデータベースを選択します。
    日射量データベース閲覧システム
  3. 全国837の測定地から希望の地点を選択します。地点をピンポイントで指定できるほか、大まかなエリアから選択することも可能です。1地点を選択すると、「この地点のグラフを表示」ボタンがクリックできるようになります。
    希望の地点を選択
  4. 下図は年間時別日射量データベースの表示結果です。指定日における日射量、日照時間、気温などの水位が時別に表示されています。
    年間時別日射量データベース
  5. 左上の「表示データ選択」から「斜面日射量」を選択すると、方角別、傾斜角別の日射量を確認できます。「日射量データ表示種類」で任意の方角、傾斜角を選択可能です。
    斜面日射量

NEDO「日射スペクトルデータベース」でより正確な発電量算出が可能に

NEDOは2016年より「日射スペクトルデータベース」の公開を開始しました。
「日射スペクトル」とは、「日射スペクトル」とは、「波長による日射強度」のことです。太陽光パネルの種類によって発電しやすい最適な波長が異なります。

このデータベース公開により、日射量による予測以上に正確な発電量の予測が可能になりました。

公開されているのは、北海道(長沼町)、茨城県(つくば市)、岐阜県(岐阜市)、佐賀県(鳥栖市)、鹿児島県(沖永良部島)の5地点で収録されたデータです。
公開当初の収録期間は約1年半でしたが、2018年には約4年半分に拡大する更新が行われています。
今後も厳密な発電量の評価に活用できるデータベースとして期待されています。

そのほかにNEDO「日射量データベース」でできること

NEDOは日本国外の日射量もデータベースとして公開しています。
NEDOや、同じく日射量の観測を行う「WRDC(World Radiation Data Center)」が集計したアジアの日射をまとめたのが、「アジア標準日射量データベース」です。

中国、香港、韓国、インド、イスラエルなど各国の日射量がマップ表示で確認できるほか、各都市の月別の日射量も確認可能です。

アジア標準日射量データベース
観測地点別に整備された日射量データの表示

太陽光パネルを設置する場所や方角、傾斜角によって発電効率は大きく変わります。
特に太陽光発電に投資する場合は、わずかな位置や角度の差が大きな利益の差につながるため、慎重に検討しなければなりません。

そのため、NEDOの日照量データベースは、太陽光パネルを設置する際に有益な判断材料になると思いますので、ぜひ覚えておいてください。

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