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【2020(令和2)年度版】自家消費型太陽光発電&蓄電池の補助金を解説

2020.8.5

太陽光発電を設置するときに補助金を受け取ることができるかが気になっている方は多いと思います。

2020年は太陽光発電の発電区分が新設され、FIT制度による全量売電が原則できなくなったことや、2019年問題による卒FITなど、売電志向から自家消費に傾きつつあります。

この記事では、2020年の太陽光発電に関する補助金と、自家消費志向で需要が高まっている蓄電池の補助金について詳しく紹介します。

2020年の太陽光発電の導入でもらえる補助金は?

2020年現在、自家消費型太陽光発電システムに対して国から直接支給される補助金はありません。

住宅用太陽光発電システムの補助金は、システム普及のため1993年に開始されましたが、2005年に一度補助金制度は終了しました。そして2009年に太陽光発電の売電価格に関する固定価格買取制度(FIT制度)とともに、補助金制度も再度開始されました。

もともとこれらの補助金制度は、太陽光発電システムの初期費用の負担を軽減して、システムの普及を進める目的で運用されていました。

しかし、太陽光発電システムの導入量増加に加え、システムにかかる初期費用が年々安くなっており、初期負担軽減のための補助金は必要なくなったという判断から、2014年3月に国からのシステム自体を対象とする補助金制度が終了しました。

以上のように、太陽光発電システムに関する制度は状況に応じて変更されています。

2020年度の売電価格や制度変更などについては「【2020年度】太陽光発電の買取価格(家庭用・産業用)と発電区分の変更点を解説」にまとめましたので、併せてご覧ください。

国の直接的な補助金制度は終了しましたが、地方自治体によっては独自に補助金制度を設けているケースもあります。

ただし、自治体関連の補助金は金額が決まっており、申請は先着順、予算が終了次第受付終了というものが多くなっています。また、自治体の補助金がそもそもない場合もあります。

補助金

2020年の自家消費型太陽光発電なら、蓄電池の補助金がある

蓄電池に関する補助金は大きく「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金(SIIによる補助金)」と「地方自治体からの補助金」の2種類に分けられ、併用も可能です。

さらに、HEMSなどと組み合わせるZEH普及に向けた補助金や、電気自動車を利用するV2Hなどについても国から補助金の交付を受けることができます。

SIIによる補助金については、次の項目で詳しくご紹介します。

蓄電池を購入した際の補助金の金額については「蓄電池を購入すると補助金はいくらもらえる?太陽光発電を賢く使おう【2019年度版】」を併せてご覧ください。

蓄電池の普及に補助金が出ているのには以下のような背景があります。

家庭用の太陽光発電システムを導入する場合、これまでは多くの人が売電目的での運用をしていました。しかし2019年問題や、売電価格が毎年見直され低価格化していることから、システムの運用方法が売電主流から、自家消費へと移行しつつあります。

また、2020年度は太陽光発電システムの発電区分が新設され、制度変更により産業用のシステムにおいて「自家消費かつ災害時に活用可能であること(地域活用要件)」の条件を満たしていない場合、FIT制度価格で売電できなくなっています。

以上のように、「FIT終了後に売電価格が安くなること」「産業用においてはある程度自家消費しなければならなくなったこと」から、発電したエネルギーを自家消費するために、蓄電池の需要が高まっています。太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせることで、昼間に発電した電力を夜間に消費するなど、自家消費のための選択肢が増えるからです。

家庭用蓄電

 

災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金とは?

「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」とは、一般社団法人 環境共創イニシアチブ(Sustainable open Innovation Initiative = SII)から交付されている、家庭用蓄電池の補助金です。

補助金の金額は蓄電池の種類や容量によって異なります。

蓄電池の種類は「災害対応型」「ネットワーク型」「周波数制御型」の3つに分類されます

「災害対応型」の蓄電池はグリーンモードへの切り替えができる蓄電池のことで、定置型の蓄電池はほぼすべてが災害対応型に含まれます。グリーンモードに切り替えると、災害時に発電した電力を優先的に蓄電池に送ります。

「ネットワーク型」の蓄電池は、VPP(バーチャルパワープラント)に参加し、HEMS機器などを用いて監視制御を行う蓄電池です。

VPPとは小規模の発電施設を連携して、仮想的にひとつの大きな発電所のように機能させる仕組みのことです。

VPPについては「VPP(バーチャルパワープラント)とは?太陽光発電で補助金がもらえる?【2019年度版】」にまとめましたので、ぜひご覧ください

「周波数制御型」の蓄電池もVPPに参加している蓄電池で、必要に応じて一定の電力供給調整機能をもつものです。

「ネットワーク型」はECHONET LiteとAIF認証が必須であるのに対して、「周波数制御型」はECHONET Lite、AIF認証は任意となっています。

どの種類の蓄電池であってもSII補助金の対象となり、10kW未満の家庭用太陽光発電システムであれば、これから設置する人だけでなく既に導入済みの方も補助金(上限60万円)を受け取ることができます。

太陽光発電を設置していない方や、システム容量が10kW以上の方は対象外となりますので、ご注意ください。

SII補助金の対象メーカーは以下の通りです(五十音順)。

  • アンフィニ株式会社
  • オムロン株式会社
  • 株式会社Looop
  • 株式会社エヌエフ回路設計ブロック
  • 京セラ株式会社
  • シャープ株式会社
  • 田淵電機株式会社
  • 長州産業株式会社
  • ニチコン株式会社
  • パナソニック株式会社
家庭用太陽光発電

そのほか太陽光発電に関連する補助金まとめ【2020(令和2)年度版】

ここでは、2020年度における太陽光発電に関連する補助金の情報をご紹介します。

ZEH・ZEBの一環として太陽光発電システムを導入する場合

ZEB・ZEHとは消費電力量の削減と創エネルギーを組み合わせることで、エネルギー収支をゼロにするような住宅や建物のことです。

ZEBについては「ZEB(ゼブ)とは?メリットや導入事例をわかりやすく解説」、ZEHについては「ZEH(ゼッチ)ってなに?補助金をもらう条件や住宅への導入事例を解説」にそれぞれ詳しくまとめましたので、ぜひご覧ください。

ZEHの導入に際しては、SIIが「ZEH支援事業」「ZEH+実証事業」などの取り組みを行っています。

  ZEH支援事業 ZEH+実証事業
補助額 1戸あたり60万円   蓄電システムを導入する場合 ・2万円 / kWh ・対象経費の1 / 3 ・20万円 の最低額 1戸あたり105万円   次世代型ZEH+(蓄電システム・燃料電池・V2H充電設備を導入している)の場合、補助金額が増額
公募期間 2020年5月7日から6月19日 2020年7月6日から8月21日 2020年8月31日から9月25日 2020年11月30日から2021年1月8日   先着 2020年6月1日から8月28日 2020年9月7日から10月30日       事前枠付与形式
対象 ZEH住宅 Nearly ZEH住宅 ZEH Oriented住宅 ZEH+住宅 Nearly ZEH+住宅

地域の避難所等に太陽光発電システムを導入する場合

太陽光発電を避難所などに設置し、防災に利用する際に補助金がでる場合があります。

高知県の「令和2年度高知県福祉避難所等太陽光発電設備導入事業費補助金」は、南海トラフ大地震が起こった際に福祉避難所や医療施設として機能維持ができることを条件に、3分の1額(上限500万円)の補助金を交付しています。

募集期間は2020年4月14日から2020年7月31日までです。

【参考https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/030901/2020taiyouhojo.html】

また神戸市でも「令和2年神戸市民間福祉施設再生可能エネルギー設備導入補助制度」があり、こちらも3分の1額(上限300万円)が交付されます。

補助金交付申請書類の提出期限は2020年12月25日です。

【参考https://www.city.kobe.lg.jp/a66324/shise/kekaku/kankyokyoku/h30fukushiene.html】

産業用太陽光発電システムの場合

滋賀県高島市では「高島市事業所用太陽光発電システム設置事業費補助金」を実施しており、本店または始点が高島市内にある販売業者から購入する10kW / h 以上のシステムに、1万円 / kW(最大50万円)の補助金が交付されます。

【参考http://www.city.takashima.lg.jp/reiki/reiki_honbun/r152RG00002011.html】

神奈川県海老名市においても「海老名市中小企業振興支援事業【補助制度】」では10kW以上の太陽光発電施設1施設につき40万円の補助金が支給されます。

予算上限に達し次第受付終了です。

【参考https://www.city.ebina.kanagawa.jp/guide/shoko/chusho/1003742.html】


この記事では2020年の太陽光発電の補助金についてご紹介しました。

2020年現在、太陽光発電に対する国からの補助金はありませんが、地方自治体の補助金は継続している可能性があります。

また、蓄電池についてはSII補助金が受け取れますし、ZEB・ZEHなどの補助金もあります。太陽光発電の導入を検討中の方は、各種補助金が利用できるかどうか一度確認してみてはいかがでしょうか。

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