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太陽光発電を用いた蓄電池充電システムに必須のチャージコントローラーとは何か徹底解説

太陽光発電 を用いた蓄電池充電システムには、欠かせない「チャージコントローラー」という機器があります。チャージコントローラーは 蓄電池の過充電や過放電、電流の逆流を防ぐもので、安全に 蓄電池充電を行うために必須の機器です。

ここでは、チャージコントローラーの種類やそれぞれのメリット・デメリット、選び方、接続方法について解説していきます。

なお、チャージコントローラーは、家庭用(自家消費型)太陽光発電システムにおいては、インバーターと一体の「パワーコンディショナー」として組み込まれている場合が多くなっています。

家庭用太陽光発電システムに必要な機器について詳しく知りたい方は、「太陽光発電システムの基本知識【よくわかるまとめ】」の記事をご覧ください。

チャージコントローラーとは?必要な理由は?

充電池が附帯した産業用太陽光発電システムでは、ソーラーパネル、パワコン、発電された電力を蓄える蓄電池に加えて充放電制御システムが必要です。

チャージコントローラーは、太陽光発電を用いた蓄電池充電システムに必要な設備の一つです。ソーラーパネルとバッテリーの間に接続することで、過充電・過放電・電流の逆流を防止する機能を果たしています。

コントロール

チャージコントローラーの役割①過充電の防止

バッテリー電圧には上限があり、メーカーにより多少の差はありますが、12V定格鉛蓄電池の場合、だいたい14V~15V程度。ソーラーパネルとバッテリーを直接つなげた場合、充電がいっぱいになってもなお電圧が上がり続ける過充電状態になってしまいます。このように過充電状態が続くとバッテリーを傷め、寿命を短くすることになります。

チャージコントローラーはバッテリーが最大電圧に達するとソーラーパネルとバッテリーの回路を自動的にストップさせ、過充電状態を防ぎます。

チャージコントローラーの役割②過放電の防止

バッテリー電圧には、上限だけでなく下限も定められています。この下限を下回る電圧まで放電すると(過放電状態)、過充電状態同様バッテリーを傷める原因になります。チャージコントローラーは、このような過放電状態も防いでくれます。

チャージコントローラーの役割③電流逆流の防止

ソーラーパネルとバッテリーを直接接続すると、夜間にソーラーパネルの電圧が下がった際にバッテリーからソーラーパネルに電力が逆流してしまい、無駄な電力を消費してしまうことになります。

チャージコントローラーがあれば、ソーラーパネルの電圧がバッテリーよりも低くなったときに回路を切断し、電力の浪費を防止します。

チャージコントローラーが必要な理由

チャージコントローラーが必要である一番の理由は、安全に太陽光発電システムを使うためです。

ソーラーパネルの発電時は、シリコン結晶型の場合無負荷でも約20~40Vの電圧がかかっています。通常の12V定格鉛蓄電池電圧は14V~15V程度であるため、バッテリーには大きな負荷がかかり、バッテリーを傷める原因となります。

チャージコントローラーがなければ、充電がいっぱいになっても充電が続けられ過充電となり、 鉛蓄電池には水素ガスが発生します。その水素ガスに引火することがあれば、爆発や火災といった事故を引き起こすことにもなりかねないのです。

火災

2種類のチャージコントローラーについてメリット・デメリットを踏まえ紹介!

チャージコントローラーには、PWM制御方式とMPPT制御方式という大きく分けて2種類があります。

以下で、PWM制御方式・MPPT制御方式それぞれの特徴やメリット・デメリットをみていきましょう。

チャージコントローラー①PWM制御方式

PWM制御方式のPWMとは“Pulse Width Modulation(パルス幅変調)”のことで、電気の波である「パルス」の幅を変えて、電圧と電流が一定に発生するようにコントロールする方式です。

コントロールのしくみが比較的単純で安く設置できるため、コストが重視される独立系の太陽光発電システムで導入されていることが多くなっています。

PWM方式のメリットとしては、バッテリーや負荷の電圧に影響されることなく一定の効率で充電できる点や値段が比較的安い点が挙げられます。

デメリットとしては、気象条件によりバッテリーの最適動作電圧が変わるため、最大効率で充電できない点が挙げられます。ただし、曇りの日や雨の日でも、わずかではありますが充電は可能です。

チャージコントローラー②MPPT制御方式

MPPT制御方式のMPPTとは“Maximum Power Point Tracking(最大電力点追従)”のことです。

最大電力点追従制御方式を用いたチャージコントローラーで、PWM制御方式と比べて30%、実際の変換効率では97%という高効率で充電できる点が最大の特徴です。

MPPT方式のメリットとしては、すべての気象条件においてソーラーパネルの最大電力を引き出し、バッテリーの電圧に最適な充電電圧で充電できる点が挙げられます。高効率で最大の電力量を得られるため、小さなパネルで効率的に充電したい場合適しています。

一方で、デメリットとしては、PWM方式と比べて値段が多少高い点が挙げられます。しかし、電力をできるだけ無駄にしたくない場合は、多少高くてもMPPT制御方式を選ぶことをおすすめします。

チャージコントローラーの選び方とシステムへの接続方法

初めてチャージコントローラーを導入する場合、どのように選ぶべきか迷うのではないでしょうか。ここでは、チャージコントローラーを購入する際に見ておきたいポイントと、発電システムとの接続方法で注意したい点を解説します。

チャージコントローラー、選び方のポイント

チャージコントローラーを選ぶ際にしっかり確認したいのは、システム電圧と最大入力電流、そして最大入力電圧の3つです。この3つの数値で、ソーラーパネルの最大動作電圧および最大動作電流とのバランスがとれているかどうかが大切になります。ソーラーパネルとマッチングしていないチャージコントローラーを選んでしまうと、チャージコントローラーの破損にもつながります。そのため、きちんと計算して慎重に選ぶ必要があるといえるでしょう。

また、日本製のものだけでなく、外国製のものも販売されています。日本で使用するための基準や、日本の気候に耐えうるものかどうかを確認するようにしましょう。

接続方法は複数ある

太陽光パネルを複数用いる場合は、直列接続、並列接続、その二つの方法を併用した接続方法のいずれかを選びます。このとき、接続方法によって、電圧と電流が大きく変わることに注意しましょう。

接続方法に合わせた計算をしなければ、電圧や電流が予想以上に大きくなり、チャージコントローラーを破損してしまうおそれがあるためです。

それぞれの接続方法の特徴は、以下の通りです。

  • 直列接続:電流は変化なし、太陽光パネルの数に比例して電圧は大きくなる
  • 並列接続:電圧は変化なし、太陽光パネルの数に比例して電流は大きくなる
  • 直列接続と並列接続の併用:(2直列の場合)電圧は2倍、並列している数に比例して電流は大きくなる
接続方法

おさえておきたいポイントとしては、太陽光パネル側の電圧(V)と電流(A)をしっかり算出すること、そしてチャージコントローラーの最大入力電圧(V)も調べておくことです。最大で入力できる電圧(V)以上の電圧をチャージコントローラーに入力した場合、破損のリスクが高くなるため、注意しましょう。


チャージコントローラーは、安全に太陽光発電による蓄電池充電システムを利用するのに欠かせない機器です。安全な利用のため、そして、貯めた電力を無駄にしないためにも、最適なチャージコントローラーを選ぶようにしましょう。

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