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J-クレジットとは?制度の概要や価格の相場をわかりやすく解説

この記事では、社内で環境問題対策に携わっている方や、これから携わっていく方、J-クレジット導入検討されている方々に向けて、地球環境保全に向けて大きな効果が期待されるJ-クレジット制度の概要や、その効果、価格の相場などについて分かりやすく解説していきます。

J-クレジット 制度とは?

J-クレジット制度を一言で説明すると「CO2排出削減に貢献すると、国からクレジットとして証明してもらえる制度」です。経済産業省、環境省、農林水産省が、主に企業向けに運営しています。

「〇〇を通して、年間~トンのCO2削減に貢献します」というプロジェクトを国に認めてもらい、成果を報告することで発行されるのが「クレジット」です。

このクレジットは売却して設備の購入費用に充てることができたり、環境対策を実施しているというPRに使う事ができたりと、様々な用途に用いられます。

設立の背景

J-クレジット制度設立の背景には、環境保全や低炭素社会実現に対する国際的関心の高まりがあります。

パリ協定(2015.12.12 採択)によって定められた日本のCO2排出削減目標を達成するため、国内でも地球温暖化対策計画(2016.5.13)が閣議決定されました。J-クレジットは地球温暖化対策計画の中で、CO2排出制限を達成するための重要な柱です。

J-クレジットの根底には「カーボン・オフセット」という考え方があります。オフセット(英:offset)とは「埋め合わせ」や「相殺」という意味で、カーボン・オフセットとはCO2排出分を植林や森林保護などによるCO2吸収量で相殺しようとする考え方です。

自社でCO2排出削減の取り組みをしていない場合には、他社事業に資金援助することでCO2排出削減に貢献することもできます。これも立派なカーボン・オフセットです。

カーボン・オフセットについて詳しくは「カーボン・オフセットとは?必要性や企業の取り組み事例をわかりやすく解説」をご参照ください。

国内には、これまでにもカーボン・オフセットの考え方を取り入れた制度として「国内クレジット制度」や「オフセット・クレジット(J-VER)制度」がありました。管轄の異なる上記2つの制度を統合して設立されたのがJ-クレジット制度です。制度の対象期間は2030年までとなっています。

CO2排出削減に貢献する企業

グリーン電力証書や非化石証書との違い

カーボン・オフセットの考え方に立脚し、CO2排出削減量や再生可能エネルギーによる発電量を売買する仕組みはJ-クレジットだけではありません。

グリーン電力証書や非化石証書はJ-クレジットのように売買可能で、所有していると「私たちはCO2排出削減に貢献しています」と主張する権利が得られる証券です。これらがJ-クレジット制度とどう違うのかというと、何を証券とするのか(CO2排出削減量 or グリーン電力発電量 or 非化石電力発電量)や、規模、効果、証券としての権利(売った後も権利を主張できるかどうか)など細かな違いは多々ありますが、最大の違いは「運営者」にあります。

J-クレジット制度は日本国行政が運営しているのに対し、グリーン電力証書や非化石証書は、それぞれ民間の保証機関や電力会社が運営し認定・発行しています。

J-クレジット制度は国の認可の元で運営されるので、証券価値が急落することがありません(ただし、制度の対象期間は2030年までで、以降は未定)。一方、J-クレジット制度はプロジェクトとして認めてもらうためのハードルが高く、売却収入を得るまでに4年ほどかかります。
それに対し、グリーン電力証書であれば、認可をもらうのは比較的容易です。

どの制度を利用するかは、自社の体力や経営計画と相談して決めるとよいでしょう。

グリーン電力証書については「グリーン電力証書とは?発行事業者やもらうメリットをわかりやすく解説」でも詳しく解説しています。

グリーン電力証書のイメージ

J-クレジットで何ができる?利用のメリット

ここまでJ-クレジットの概要や背景を大まかに説明してきましたが、続いてJ-クレジット制度利用のメリットをクレジット創設者と購入者に分けて紹介します。

クレジット創設者のメリット

クレジット創設者は、CO2排出削減を実際に行い、クレジットを創出する事業者の事で、メリットとしては以下が挙げられます。

  • クレジット売却益による投資費用の回収や更なる省エネ投資への活用
  • 省エネ設備導入や再生可能エネルギー活用にかかるランニングコストの低減
  • 温暖化対策に積極的な企業、団体としてのPR効果
  • J-クレジット制度に関わる企業や自治体等との関係強化

最大のメリットはクレジット売却による収益ですが、売却した後も環境保全活動を行っている企業としてPRできたり、関連企業や自治体など他社と関わりを持つことができたりと、様々な恩恵を受けられます。

クレジット購入者のメリット

クレジット購入者はCO2排出削減に従事する事業者からクレジットを購入した企業や自治体などの事を指し、クレジットを購入することで以下のようなメリットがあります。

  • 温対法の「調整後温室効果ガス排出量」の報告や、CDP質問書及びRE100達成のための報告等での活用
  • 森林保全活動の後押しなど、環境貢献企業等としてPR効果
  • 製品・サービスにかかるCO2排出量をオフセットすることで、差別化やブランディングを向上
  • 関係企業や地方公共団体との新たなネットワークを活用したビジネス機会の獲得や、新たなビジネスモデルの創出

CDP質問書やRE100は、何れもCO2排出抑制についての取り組みを評価する指標です。クレジットを購入することで、気候変動に高い関心を持つ企業として外部に認知されるようになります。

RE100について詳しく知りたい方は「RE100とは?わかりやすく解説!日本企業の取り組みも紹介」もご参照ください。

クレジット購入者メリット

J-クレジットの価格は?相場と価格推移

CO2排出量削減に貢献し、J-クレジットで収益を上げたいと考えたとき、気になるのはJ-クレジットの価格相場です。

クレジットの単価は仲介事業者を通じた相対取引や制度事務局による入札で決定されるため、一律ではありません。

経済産業省の制度概要説明によれば、CO2の加重平均価格(CO2排出削減を1トン達成すると得られる収益)は下図のように推移しています。

多少の変動はありますが、安定した値上がり傾向が見て取れます。

今後も環境保全や気候変動への関心は増していくため、この傾向は続いていく可能性が高いです。


この記事では、地球温暖化対策の重要な柱であるJ-クレジット制度について解説しました。

カーボン・オフセットの考え方に立脚した制度は国内にも幾つかありますが、J -クレジット制度は国が運営するために価格が安定的であることが特徴です。

高まる環境保全への関心を受け、 J- クレジットは益々注目を集めています。その価値は今後と高まっていく傾向にあります。

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