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ゼロエミッションとは?実現に向けた対策や事例、課題を紹介!

2021.6.17

ゼロエミッションは1994年に国連大学が提唱した「ゼロエミッション構想」の中で示された概念であり、「排出をゼロに近づけよう」という取り組みを指します。地球温暖化や資源枯渇の問題が取り沙汰される昨今、ゴミやCO2の排出をゼロに近づけようという取り組みは他にも、カーボン・オフセットやカーボンニュートラルなどがありますが、どのように違いがあるのでしょうか?

この記事では、ゼロエミッションが目指す資源再利用の形や、そのために取り組むべきことは何なのかを、事例を交えつつ解説していきます。

カーボン・オフセット、カーボンニュートラルについて詳しくは「カーボン・オフセットとは?必要性や企業の取り組み事例をわかりやすく解説」、「カーボンニュートラルとは?目的や取り組み、企業事例も含めて解説!」の記事をご参照ください。

ゼロエミッションとは?

ゼロエミッションとは廃棄物を再利用することで、最終処分場に埋め立てられる廃棄物や、大気中に放出されるCO2を限りなくゼロにしようとする取り組みです。1994年に国連大学によって提唱され、その後、日本国内にも広がりました。

工場や農場では必ず廃棄物が発生します。ゼロエミッションは、そこで生じた廃棄物をそのまま最終処分場に送るのではなく、資源として有効活用しようとする考え方です。廃棄物を資源として有効活用することで、最終処分場における埋め立て量を減少させることができ、排出CO2を減らすことにも繋がります。

その例として、廃棄生ごみを使ったバイオマス発電は、まさしくゼロエミッションを体現しています。

日本は、ゼロエミッション構想以前の1993年にも廃棄物再利用についての全体構想を国際会議で提案していました。ゼロエミッションは「もったいない」と感じる日本人的感性に合った考え方と言えるかもしれません。

リサイクルなどの再利用が必要

ゼロエミッション実現に向けての対策

ゼロエミッションを推進・実現するために重要なのは「資源の再利用と有効利用で参加者全員が利益を得られる仕組み作り」です。具体的には「廃棄された資源の使い道(再利用先)を見出すこと」、また「廃棄元と再利用先を結びつけること」に注力しなければなりません。

さらに、ゼロエミッションの実現には、産官学の連携や異業種間の情報共有も必要となります。廃棄資源を再利用できる技術や設備が、自社内にあれば取り組むことは比較的容易ですが、そういったケースは稀で、自社内だけで対応できる技術が無い、もしくは再利用方法が分からず、そのまま廃棄している企業がほとんどです。

そのため、資源の再利用に結びつけるためには、各社が分野を超えて協力し合うことが重要です。

さまざまな分野で再利用を促進

ゼロエミッション東京とは?

気候変動に対する国際的な取り決めを行ったパリ協定を受け、東京都で進められているCO2排出削減の取り組みが「ゼロエミッション東京」です。太陽光発電の利用や、排ガスの少ない自動車の普及などにも取り組んでいるので、国連大学で提唱された「ゼロエミッション構想」とは本来関係はありませんが、本施策にはゼロエミッションを推進するうえで大切な要素が含まれています。

それは「都が主導して、あらゆる分野の関係強化に努めている」という点です。先述したように、ゼロエミッションは「資源再利用先を見つけ出す」ことが重要になります。どれだけ環境への意識を高く持っても、自社の経営が傾いては意味がありません。「ゼロエミッション東京」では、業界を超えた関係強化が推奨され、半ば強制的に外部へ目を向ける企業が増えることで、資源の再利用先を見出す可能性を高めることができました。2019年12月に策定された施策ですが、先進的な取り組みとして今後の活動に注目が集まっています。

パリ協定について詳しくは「パリ協定とは?日本の取り組みやアメリカ離脱の経緯をわかりやすく解説」の記事をご覧ください。

ゼロエミッションの具体的な事例

以下ではゼロエミッション実現のための具体的な取り組みを紹介します。

アサヒビール

「アサヒスーパードライ」などで知られ、日本を代表する飲料メーカーであるアサヒビールは、環境を重視する企業としても知られています。

同社は2002年時点で全工場における廃棄物のリサイクル率100%を達成しました。つまり、ビール生産工程で排出される廃棄物はすべて再利用され、最終処分場に埋め立てられる廃棄物は一切ないということです。

ビール製造工程で重量当たり最も多く排出されるのは、モルトフィード(麦芽の殻皮)で、全体の8割を占めます。その他の廃棄物は、汚泥やガラス屑などです。モルトフィードは主に牛の飼料として再利用され、他の有機物は堆肥として、ガラス屑はビール瓶として再利用されます。

セイコーエプソン

セイコーエプソン株式会社は、プリンターやPCに関わる電子機器メーカーです。自社でごみを出さないための取り組みのみならず、資源分別の徹底や、より適切なリサイクル業者の選定によって排出物削減に取り組んでいます。

中国のプリンター製造拠点では、検査工程で用いるインク廃液の処理費用が高いことが問題となっていました。そこで、インク廃液の濃縮装置と微生物処理を組み合わせ、約半量を濃縮液として再利用することに成功しました。

また、セイコーエプソンでは自社で使用した紙のリサイクルを実施しています。プリンターの印字検査工程で使用した紙は、液体を吸収する吸収材として再利用され、ビジネスインクジェットプリンターや大判プリンターのメンテナンスボックスに活用されています。

どうすれば再利用に結び付くのか

ゼロエミッションの今後の課題

廃棄物削減や排出抑制に対する意識の高まりから、資源を有効活用する企業は増えつつあります。しかし、廃棄物削減の取り組みは未だ社内に留まっていることがほとんどです。ゼロエミッション実現のためには、会社や業界という縦割り組織を脱し、事業者間の関係を強化することが欠かせません。

そのためには、トップダウンでの経営支援が必要です。ゼロエミッション東京のようなエコタウン構想は、今後ゼロエミッションを推進するための指針になっていくでしょう。

 

ゼロエミッションとは、廃棄物を再利用することで、最終処分場に埋め立てられる廃棄物や、大気中に放出されるCO2を限りなくゼロにしようとする取り組みです。

単に廃棄物を減らすのではなく、資源が循環するシステムを作り出すことや、自社事業のみならず、産官学の連携や異業種間との情報共有も必要となります。

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