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ゼロエミッションとは?その効果や対策、事例、課題を紹介!

2022.11.11

公開:2021年06月17日
更新:2022年11月11日

ゼロエミッションは、1994年に国連大学が提唱した「ゼロエミッション構想」の中で示された概念であり、「排出をゼロに近づけよう」という取り組みを指します。

この記事では、ゼロエミッションが目指す資源再利用の形や、そのために取り組むべきことは何なのかを、事例を交えつつ解説していきます。

ゼロエミッションとは?基本的な意味とその効果について紹介

ゼロエミッションとは、廃棄物の再利用などを通して、廃棄物を限りなくゼロにしようとする取り組みです。1994年に国連大学によって提唱された日本発のコンセプトとされています。ゼロエミッションは「もったいない」と感じる日本人的感性に合った考え方と言えるかもしれません。

工場や農場では、必ず廃棄物が発生します。ゼロエミッションは、そこで生じた廃棄物を資源として有効活用しようとする考え方です。廃棄物を資源として有効活用することで、最終処分場における埋め立て量を減少させることができ、排出CO2を減らすことにも繋がります。

ゼロエミッション活動の例として、廃棄生ごみを使ったバイオマス発電やプラスチックリサイクルが挙げられます。

バイオマス発電について詳しくは「バイオマス発電とは?仕組みメリットを分かりやすく解説」の記事を、プラスチックリサイクルについては「プラスチックはリサイクルすると何になる?リサイクル方法や現状、企業の取り組みを紹介」の記事をご参照ください。

リサイクルなどの再利用が必要

サーキュラーエコノミーや3Rとの関係性

近年では、リサイクル関連で「サーキュラーエコノミー」や「3R」といった言葉をよく耳にします。いずれも、資源を再利用することで廃棄を減らす意味で似た言葉ですが、これらはゼロエミッションの発展的な概念と言えそうです。

3Rやサーキュラーエコノミーに関しては、「3Rとは?企業の取り組みや今後の課題を詳しく解説」や「サーキュラーエコノミーとは?その仕組みや各国の動向、企業の事例を紹介!」をご参照ください。

さまざまな分野で再利用を促進

ゼロエミッションに関する制度やプロジェクト

先述したように、ゼロエミッションとは、1994年に国連大学によって提唱された廃棄物を限りなくゼロにしようとする取り組みですが、近年では、CO2の排出をゼロにするという広義の意味でも用いられています。

ここからは、ゼロエミッションに関する制度やプロジェクトについて紹介します。

エコタウン事業

エコタウン事業は、1997年から始まった産業振興・地域活性化のための支援事業です。当時の廃棄物処理問題を背景として設立され、2005年までに26の自治体がエコタウンとして承認されました。

一例として、北九州市では、急成長した重化学工業の影響により大気・水質汚染が深刻化し、エコタウン事業の支援を受けることになります。継続的に廃棄物処理に関する技術研究を続け、それらを事業に繋げることで、地域社会へ雇用を生み出すことに成功しました。2016年度の調査によると、再資源化によって削減されたCO2は、年間50.3万トンとなり、着実に効果をあげています。

ゼロエミッション東京

東京都は2019年5月、世界の大都市の責務として、平均気温の上昇を1.5℃に抑えることを追求し、2050年にCO2排出実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」を実現することを宣言しました。その実現に向けた取り組みやロードマップをまとめた「ゼロエミッション東京戦略」では、3Rの推進やプラスチック対策について規定されています。

2019年12月に策定された施策ですが、先進的な取り組みとして今後の活動に注目が集まっています。

ゼロエミ・チャレンジ

ゼロエミ・チャレンジとは、経済産業省が脱炭素社会実現に挑戦する企業を選定する取り組みです。2021年10月に開催された「TCFDサミット2021」では、上場・非上場企業あわせ約600社もの企業が「ゼロエミ・チャレンジ企業」として発表されました。

ゼロエミッションビークルの普及促進

ゼロエミッションビークルは、走行時にCO2やNOx(窒素酸化物)などの排出ガスを出さない電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)などを指します。

ゼロエミッションビークルの普及に向けて、国はメーカーに開発支援を実施し、東京都などは消費者向けに購入補助金を拠出しています。

電気自動車や燃料電池自動車に関して詳しくは、「今話題のEVシフトとは?日本と海外の現状や今後の取り組みを解説!」、「水素エネルギーとは?メリットや利用方法を解説!」をご参照ください。

企業のゼロエミッション活動事例

以下ではゼロエミッション実現のための具体的な取り組みを紹介します。

アサヒビール

「アサヒスーパードライ」などで知られ、日本を代表する飲料メーカーであるアサヒビールは、環境を重視する企業としても有名です。

同社は2002年時点で全工場における廃棄物のリサイクル率100%を達成しました。つまり、ビール生産工程で排出される廃棄物はすべて再利用され、最終処分場に埋め立てられる廃棄物は一切ないということです。

ビール製造工程で、重量当たり最も多く排出されるのは、モルトフィード(麦芽の殻皮)で、全体の8割を占めます。その他の廃棄物は、汚泥やガラス屑などです。モルトフィードは主に牛の飼料として、他の有機物は堆肥として、ガラス屑はビール瓶としてそれぞれ再利用されます。

セイコーエプソン

セイコーエプソンは、プリンターやPCに関わる電子機器メーカーです。自社でごみを出さない取り組みのみならず、資源分別の徹底や、より適切なリサイクル業者の選定などを通して、排出物削減に取り組んでいます。

中国のプリンター製造拠点では、検査工程で用いるインク廃液の約半量を濃縮液として再利用したり、全社で使用した紙のリサイクルを実施しています。

三井物産

三井物産では、様々な廃棄物のリサイクル事業を展開しています。

例えば、プラスチック関連ではラベル台紙、包装材、PETボトル、その他プラスチック製品の廃棄物リサイクルや、段ボール古紙の循環リサイクル、金属資源の廃棄物リサイクルにも取り組んでいます。

詳しくは「サーキュラー – Green&Circular 脱炭素ソリューション|三井物産 (mitsui.com)」をご確認ください。

どうすれば再利用に結び付くのか

ゼロエミッションの今後の課題

廃棄物を限りなくゼロに近づける「ゼロエミッション」ですが、近年では「資源循環」や「サーキュラーエコノミー」に発展しています。

単に廃棄物を減らすのではなく、資源が循環するシステムを社会として作り出していくために、産官学の連携や異業種連携も必要となってくるでしょう。

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