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脱炭素経営とは?メリット・デメリットや日本企業の取り組み状況を解説

2021.11.30

脱炭素経営の取り組みとして、TCFD、SBT、RE100などが代表的です。
脱炭素経営にしっかり取り組むかどうかは、金融機関や投資家からの資金調達にも影響し、今後は環境を考慮した経営戦略が不可欠になると予測されます。
この記事では、脱炭素経営とは何か、脱炭素経営が必要となった背景、メリット・デメリット、企業の取り組みについて解説します。

脱炭素経営とは?

脱炭素経営とは、脱炭素の考え方を反映させた企業経営のことです。脱炭素経営を行う企業は、温室効果ガスの排出量を実質0にすることを目指して、様々な取り組みを行うことになります。
世界的に脱炭素の運動が加速しており、それに伴って日本も様々な国際協定に参加したり、宣言を行い、脱炭素の取り組みを進めたりすることで、協力しています。この流れは、ほとんど全ての分野の事業に影響を与えており、企業も脱炭素を考慮した経営戦略をとることが、社会的責任になりつつあります。
「環境問題に取り組んでいる企業かどうか」は、投資家の間でも重要な投資判断の基準とみなされるようになってきており、企業の資金調達にも関わります。

企業の脱炭素経営の例として、TCFD、SBT、RE100などが挙げられます。
TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)とは、企業が気候変動への取り組みや影響に関する財務情報を開示するための枠組みです。
詳しくは「企業による気候変動への取り組みを推奨するTCFDとは?」をご覧ください。

SBT(Science Based Targets)とは、パリ協定が求める基準を達成するための、科学的根拠に基づいた中長期的な温室効果ガスの削減目標のことです。
詳しくは「SBTとは?用語の意味や取り組みのメリット、認定条件を解説!」をご覧ください。

RE100(Renewable Energy 100%)とは、事業活動に必要なエネルギーを全て、再生可能エネルギーで賄うことを目標とする枠組みです。
詳しくは「RE100とは?わかりやすく解説!日本企業の取り組みも紹介」をご覧ください。

脱炭素を目標に

脱炭素経営が注目される背景

世界的な気候変動に関する国際的な協定として、1997年の京都議定書と2015年のパリ協定は非常に有名です。京都議定書から18年ぶりとなるパリ協定には196か国が参加し、地球の環境を守るために以下の目標を正怪獣の国家が共有しました。

  • 産業革命以前と比較して、世界の平均気温上昇を2℃未満に抑え、さらに1.5℃未満に抑える努力を追求すること
  • 温室効果ガスの削減目標を5年ごとに提出・更新すること

さらに2020年10月26日、当時の菅義偉内閣総理大臣は所信表明演説で「2050年までに温室効果ガスの排出を実質0にする」ことを表明しました(カーボンニュートラル宣言)。
加えて菅総理は、2021年4月22日には政府の地球温暖化対策推進本部で、「2030年の温室効果ガスの削減目標を、2013年比で46%削減する」ことを表明し、国を挙げてこれらの目標に取り組んでいます。

日本が温室効果ガスの削減目標を達成するには、政府や地方自治体だけでなく、企業の協力が不可欠であり、脱炭素経営が注目されています。また、企業が脱炭素経営に取り組めるように、補助金制度や法整備も進んでいます。

脱炭素経営に取り組むメリット・デメリット

近年では、環境などに配慮した経営をすることが、企業の社会的責任になりつつあります。ここからは、企業が脱炭素経営に取り組むメリット・デメリットについて解説します。

メリット

脱炭素経営を行うことで、地球温暖化の抑制に貢献する企業であることを、社会的に示すことができます。先述の通り、環境問題などの社会的責任に取り組んでいるかは、投資家や金融機関、消費者が企業を評価するときの重要なポイントの1つになっており、直接的な企業の資金調達にも関わってきます。
例えば、2006年には国連事務総長のコフィー・アナン氏が、責任投資原則(PRI)を提唱し、そこからESG投資の概念が普及し始めました。

ESGは環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の頭文字で、投資判断の基準としてESGを重視するのがESG投資です。
ESGについては「ESGとSDGsの具体的な違いとは?それぞれの概要と関係性も解説」の記事で説明しておりますので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

取引先が脱炭素経営に取り組んでいる場合、その目標の達成のために、再生可能エネルギーを利用して部品を製造している企業から、部品などを仕入れることも考えられます。このように、企業間での関係においても脱炭素経営が求められるようになっています。
また、初期投資は必要ですが、例えば太陽光発電システムの導入などで、電力会社から購入する電力量を削減できれば、エネルギーコストを削減できるといったメリットもあります。

デメリット

脱炭素経営のために新たな施設や設備を導入した場合、その施設や設備の導入に初期投資が必要で、さらに機器のメンテナンスなどの維持費がかかります。
また、前項のメリットでも解説したとおり、脱炭素経営は自社だけで成り立つものではありません。場合によっては脱炭素経営に前向きでない企業との関係を見直す必要が生じ、これまで密接に取引してきた企業との関係性が変化することもあり得ます。

企業レベルでの脱炭素化

日本企業でも増加している脱炭素経営の3つの取り組み

脱炭素経営の代表的な取り組みとして、TCFD、SBT、RE100の3つが挙げられます。
TCFD、SBT、RE100について、日本の企業は世界に先進的に取り組んでいます。
ここからは、3つの取り組みについて解説します。

TCFDの取り組み状況

TCFDは、気候変動が与える経済への影響に備えるための枠組みです。
企業の活動により生じる気候変動に関するリスクや機会を、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目に分類し、それぞれの項目に関して情報の開示をします。
2021年10月時点で、TCFDに賛同している企業・機関数は全世界で2,634であり、うち546は日本の企業・機関です。
これは世界1位の数で、この数年で多くの企業・機関が新たに賛同を表明しています。

TCFDについて詳しく知りたい方は「企業による気候変動への取り組みを推奨するTCFDとは?」を合わせてご覧ください。

SBTの取り組み状況

SBTは、パリ協定で定められた目標である「気温上昇を2℃未満にし、1.5℃未満に抑えられるように追求する」ために、企業が達成するべき温室効果ガスの削減目標を、科学的根拠に基づいて設定するものです。
2021年10月現在、SBTの認定を受けた企業は、全997社のうち138社が日本企業で、世界3位となっています。

SBTについては「SBTとは?用語の意味や取り組みのメリット、認定条件を解説!」に詳しく解説しましたので、合わせてご覧ください。

RE100の取り組み状況

RE100は事業運営に必要なエネルギーを100%、再生可能エネルギーの使用することで賄うことを目標とする企業が加盟する、国際的な枠組みです。
自社で再生可能エネルギーによる発電をして、事業活動に使用するか、再生可能エネルギーによる電力を市場で購入して使用します。
RE100への参加企業数は、2021年10月現在、全世界で340社であり、うち62社が日本企業です。これは世界2位の数です。

RE100についてより詳しく知りたい方は「RE100とは?わかりやすく解説!日本企業の取り組みも紹介」を合わせてご覧ください。

国際的な取り組み

脱炭素経営に特化した展示会も登場

このように脱炭素経営に関する企業の関心が高まる中、脱炭素経営に特化した「脱炭素経営EXPO」の第1回が2021年9月に東京で、同11月に関西で開催されました。

地産地消型のエネルギーとして注目されるバイオマス発電や、RE100への貢献が期待される自家消費型の太陽光発電システムなど様々な製品が出展されています。CO2排出量を可視化したり、削減するための新たなソリューションも次々に登場しており、企業における関心が急速に高まってきています。今後も定期的に開催される予定ですので、ご興味のある方は是非チェックしてみて下さい。

脱炭素経営について解説しました。
企業が環境問題に取り組むことは社会的責任となってきており、投資家や金融機関からの資金調達、消費者や採用まで多岐に関わってきています。また、脱炭素経営は自社単独で出来ることではなく、関係企業との取引にも影響します。環境を考慮しない企業経営は、大きなリスクを伴うようになってきています。

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