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サーキュラーエコノミーとは?その仕組みや各国の動向、企業の事例を紹介!

2021.12.24

廃棄物を削減したり再利用したりすることで実現するサーキュラーエコノミーは、地球温暖化や資源の枯渇などの社会問題を解決するための取り組みとして注目されています。この記事ではサーキュラーエコノミーが注目される理由や、海外の動き、企業の事例についても紹介します。

サーキュラーエコノミーとは?

サーキュラーエコノミー(循環型経済)とは、資源が一方向にしか流れない従来型の経済活動とは対照的に、「資源が循環する経済の仕組み」を指す言葉のことです。

経済産業省は、「あらゆる段階で資源の効率的・循環的な利用を図りつつ、付加価値の最大化を図る経済」と定義しています。
引用:経済産業省 循環経済ビジョン2020(概要)

前世紀の経済活動は、リアエコノミーとも呼ばれており、大量生産、大量消費を是とし、大量に廃棄される資源はあまり再利用されない社会でした。資源の流れは「直線的」です。これを続ければ、資源の絶対量は減少していきます。

対して、サーキュラーエコノミーが目指すものは3R (Reduce・Reuse・Recycle)の考え方を基本とした「円環」です。役割を終えた製品は再資源化し、生産工程に戻ることで、資源が循環していきます。

加えて、資源の効率的な利用を進め、円環に流入する資源、流出する資源を減らしていきます。例えば、プラスチックの効率的な利用や再資源化を進めることで、プラスチックの原料である石油の使用を減らし、埋め立てられるゴミの量を減らすことがこれにあたります。

また、サーキュラーエコノミーでは「資源」を広く捉え、使われていない民家や使われる頻度の少ない車を、宿泊施設やレンタカーとして活用することも含まれます。こうした活動は、資源が使われないまま老朽化する場面を減らし、資源の有効利用に貢献します。

3Rについては「3Rとは何かを詳しく解説!企業の取り組みや今後の課題は?」で詳しく解説しています。

3Rとは?

サーキュラーエコノミーが注目される理由

資源を循環させるという考え方は決して新しいものではありません。

1960年代には Kenneth E. Boulding が著書 “Economic Development as an Evolutionary System” にて、「限られた資源を有する生態系に人類の経済システムを適合させる必要性」を述べています。

1990年代には、ドイツの経済学者 Michael Braungartらが「Cradle to Cradle(ゆりかごからゆりかごへ)」というコンセプトを提唱しました。これは「廃棄はやむを得ない」という考えを見直し、資源が無駄なく循環する仕組みを目指すものです。

こうした類似する概念が古くからあったにも関わらず、近年急速にサーキュラーエコノミーが注目を集めるのはなぜなのでしょうか?

理由1:地球環境保護

サーキュラーエコノミーを推進する主な理由は「地球環境保護」です。

気候変動による異常気象や海面上昇、生態系への影響は益々深刻化しており、資源の有効活用の必要性が高まっています。また、石油などの化石資源やレアメタルなどの希少資源の枯渇も懸念されています。

理由2:経済的優位性の確立

希少資源の供給を特定地域に依存することは、資源価格の上下に自国経済が翻弄されるリスクをはらんでいます。資源の有効活用や再利用は、資源価格の変動による経済へのダメージを抑える役割も持ちます。サーキュラーエコノミーは国家的な安全保証の政策でもあるのです。資源の有効利用は、持続的な経済活動を支えます。

また、サーキュラーエコノミーが民間でも盛んに取り上げられるのは、ビジネスと結びついているためです。

持続的な経済活動を支える

地球環境保護に対する消費者、投資家の関心は年々高まっており、「環境にいいものは売れる」時代になりました。自社が資源循環や有効利用を積極的に進めているとアピールすることは、企業イメージの向上に繋がります。サーキュラーエコノミーは大きな経済効果を生むのです。

理由3:技術の発展

サーキュラーエコノミーが広まった背景には、技術の発展も関係しています。

ここで言う技術とは、使い終わった製品の再資源化技術だけではありません。データ処理技術やセンサー技術が向上したことで、資源の生産現場から廃棄、再資源化までの一連の流れ(Cradle to Cradle)を追跡できるようになりました。

こうした追跡・管理技術はカーシェアリングや空き家の有効活用などにも活かされています。

サーキュラーエコノミーの3原則とは?

国際的にサーキュラーエコノミーを推進する機関エレン・マッカーサー財団は、サーキュラーエコノミーの3原則として、下記の内容を挙げています。

  • 廃棄物や汚染を生み出さない設計(DESIGN OUT WASTE AND POLLUTION)負の外部性(環境汚染などの公害)を明確化し廃棄物や汚染を生み出さない設計(デザイン)を行うこと
  • 製品や原材料を使い続ける(KEEP PRODUCTS AND MATERIALS IN USE)循環型の経済モデルを実現させるために最適な生産を行い、製品と原材料を捨てずに最大限利用可能な範囲で使い続けること
  • 自然システムを再生(REGENERATE NATURAL SYSTEMS) 再生可能な資源を利用し、有限な資料を制御(資源をストック)することで、植物や土壌、水、大気などの自然資本の保存と増加をさせること

サーキュラーエコノミーに関する海外の動き

資源の循環、有効利用に関して EU は先進的な取り組みを実施し、世界をリードしています。

例えばEU で一丸となって電気自動車の導入を進めたり、プラスチックストローの廃止を決定したりと、地球環境保護のための大胆な政策を打ち出しました。

また、EU各国は 2030年~2040年の間にガソリン車の新車販売を禁止する政策を打ち出し、日本をはじめとした諸外国もそれに追随する形となりました。これにより、今後 EU 向けのガソリン車の輸出は難しくなる事が予想されます。

こうした情勢は、電気自動車技術に関して先進的な技術を持つ EU にとっては経済的有利に、対してガソリン自動車が強い日本には不利に働きます。

電気自動車に限らず、EU の定める環境基準に満たない製品はグローバルな市場から排除される可能性があります。今後、サーキュラーエコノミーなどの先進的な環境保護規格に上手く順応できない産業、業種は厳しい立場に立たされる事が予想されます。

世界標準を意識し、足並みを揃えた製品開発が今後益々重要になっていきます。

EV車への移行

サーキュラーエコノミーを実施している企業の事例

以下では、サーキュラーエコノミーを前面に打ち出し、環境意識の高い顧客や投資家の獲得を目指す企業の取り組みについて紹介します。

アディダス

ドイツのスポーツ用品メーカー大手のアディダスでは、海岸で回収されたプラスチックごみを再生利用し、スポーツウェアやランニングシューズを製造・販売しています。
また、単一素材でシューズを製造し、使用後に回収・溶解して 100% 再生可能となるランニングシューズの生産も予定しています。

ユニリーバ

ユニリーバは、イギリスに本拠を置く世界有数の一般消費財メーカーです。
ユニリーバでは、プラスチック容器の再利用やリサイクル技術に投資し、堆肥化を可能にする取り組みを進めています。パッケージなどの包装にプラスチックを使用する頻度が多い同社では、包装の軽量化や詰め替え用製品の拡充を進めることで、非再生プラスチックの使用量を減らす狙いです。

ユニクロ

ユニクロでは、自社製品のすべてをリユースやリサイクルする取り組みを進めています。使い古した服を選別して難民に対する支援を行い、燃料や防音材として再生利用を行っています。

環境問題への企業努力

ユニ・チャーム

ユニ・チャームは紙おむつのリサイクルを行っています。回収したおむつを洗浄・再資源化して衛生的なパルプに変換しています。同社は「使用済み紙おむつを焼却してバージンパルプから新たな製品をつくる場合に比べ、温室効果ガス排出量を87%削減できる」としています。

リコー

事務機器・光学機器メーカーのリコーは、製品の回収・リサイクルだけでなく、製品設計の段階にも注力しました。
小型・軽量化して使用資源の量を減らしたり、リサイクルしやすい製品設計を推進したりしています。

海外に比べ、日本のサーキュラーエコノミーの動きは活発ではないものの、昨年経済産業省が循環経済ビジョンを発表したことで、サーキュラーエコノミーの認知度が徐々に高まってきています。
環境問題に対する意識が高く3Rの普及が進む日本では、今後サーキュラーエコノミーが普及することで、持続可能な社会が実現に向けて更なる発展が期待できます。

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